「今、優しいお兄さんと一緒に待ってる」 待ち合わせの場所にいなかった小3の姪が、知らない番号から電話をかけてきて...
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Mさん(神奈川県・40代女性)
Mさんはその日、始めて新幹線での一人旅をする小3の姪っ子をホームまで迎えに行くことになっていた。
しかし、手違いで到着が遅くなると、すでに来ているはずの姪っ子の姿が見当たらず......。
<Mさんの体験談>
私にはこの春、小学校3年生になった姪が居ます。小学生になった時から「春休みになったら新幹線に乗って伯母ちゃんのおうちに泊まりにおいでね」と話していましたが、コロナ禍の為になかなか約束を果たせず。しかし、今年やっと現実になりました。
当日は彼女のお母さん(私の妹)が新幹線ホームまで見送り、姪っ子はひとり新幹線に。「色々と安心だろう」という思いからグリーン車、さらにトイレにも近く下車もしやすい後部座席を予約。出発前、妹は姪っ子に「目的の駅に着いたら番真後ろのドアから出る、そしたら伯母さんが居るからね!」と伝えていました。しかし......。
「優しいお兄さんと一緒に待っている」
私は降りたホームで姪っ子を迎える為、30分の余裕を持って到着できるよう自宅を出てお迎えのホームに向かいました。
しかし、乗り換え駅で乗り間違いをしたり、更には遅延にあったりして、駅に到着したのは新幹線の到着時間とほぼ同じ時間。私が新幹線のホームに着いた時には、姪が乗って来た新幹線はもう次の駅に向かって発車してました。
そして、どこに行ってしまったのか、ホームにいるはずの姪が居ません。その時、携帯に知らない番号からの着信が入っているのに気づきました。すぐに折り返すと、姪の声が聞こえてきて、
「今、優しいお兄さんと一緒に待っている」
と言うのです。
「まさかの誘拐!?」と一瞬にして私の頭は真っ白になり、すぐにその「優しいお兄さん」に電話を代わるように言いました。「うん、いいよ」という姪の返事が聞こえたあと、電話口から男性の声がしました。
「あっもしもし、〇番線の真ん中8号車辺りにいます」
男性の言葉に、私は「ありがとうございます! すぐ行きます。このままお電話切らずにお願いします!」と告げ、言われたホームへ。すると、そこにはお兄さんとその方のお子さんと思われる2歳位の男の子、そして姪っ子の姿が。「ああ、本当に優しいお兄さんで良かった」と私は安堵しました。
親子連れかお姉さんに話しかけるように
私はお兄さんに、電話を貸して掛けてくれたこと、姪っ子と一緒に待っていてくれたことにお礼をして、姪を連れて帰路に着きました。
その途中、何であの人と一緒にいることになったのかと姪に聞くと、私の妹がホームに私が居なかった場合のことを言い聞かせていたそうです。
「もし、ホームに降りて伯母さんが居なかったら、その場で待っていたら必ず伯母さんが来るからね」。そして、私の番号と自分の番号を書いた紙も持たせ、電話をしたい時は駅員さんにお願いするか、駅員さんが近くに居なかったら、親子連れかお姉さんに話しかけるように伝えていたのです。
「あのお兄さんが弟(3歳)くらいの子を連れていたから」
という姪の説明を聞き、「なるほどな...」と感心してしまいました。
あの時の20代くらいのお若いお父さん、お電話を貸してくれて、また、息子ちゃんと一緒に私の到着を姪っ子と待っていてくれて、ありがとうございました。
お掛け様で、あの後姪っ子と楽しい思い出を沢山作ることが出来ました。
予定通りでなかった事に泣いたりせず、ちゃんと母親に言われた事を守り電話を借りたりした姪っ子に関心するなど、私にとっても忘れられない、姪のはじめてのひとり旅です。
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