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オリックス応援のため「日本シリーズ中は早くお店を閉めるかも」 車屋の看板に大反響→そして、球団が動いた

大山 雄也

大山 雄也

2022.11.22 18:28
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あの歓喜の瞬間から早いもので1か月が経とうとしている。

2022年のプロ野球・日本シリーズは、昨年と同じ東京ヤクルトスワローズとオリックス・バファローズの対戦だった。先に4勝したほうが勝利となるこの戦いは第7戦までもつれ込む。そして10月30日、バファローズが1996年以来26年ぶり5度目の日本一の座について幕を閉じた。

今回ご紹介するのは、日本中の野球ファンがスワローズとバファローズの死闘を見守る裏で繰り広げられていた、熱いファンの物語だ。

バファローズファンのスタッフのために......(画像は投稿者提供)
バファローズファンのスタッフのために......(画像は投稿者提供)

こちらはあるユーザーがツイッター上に投稿した写真。日本シリーズが開幕した10月22日あたりに、大阪・岸和田で自動車販売などを行う「フジオート」に設置されていた看板を、投稿者の家族が撮影したものだという。こんなことが書かれている。

「日本シリーズの期間中もしかしたらちょっとだけ早くお店を閉めるかもしれません
なぜならスタッフの1人がオリックスファンなんで万全の体制で応援しなければいけないらしいです。めったにないことなんでよろしくお願いいたします」

バファローズファンのスタッフのために早く店を閉めるかもしれないというのだ。ファンにとっても日本シリーズは晴れ舞台だし、仕事よりも応援を優先したくなるだろう。それを受け入れるなんて、この店、優しすぎる。

この看板はツイッター上で注目を集め(投稿は後に削除)、その結果、フジオートには信じられないような「事件」が起こった。

「本当にびっくりしました」

先の写真を投稿したツイッターユーザーは、11月11日あたりに置かれていたというフジオートの看板の写真も投稿している。日本シリーズ終了後ということで、看板に書かれている言葉は変わっていた。

オリックスが挨拶にやってきた!(画像は投稿者提供)
オリックスが挨拶にやってきた!(画像は投稿者提供)

「オリックス優勝! おめでとうございます」から始まるその文章は、フジオートに起きたある出来事を伝えている。

「実は前回の看板を日本シリーズ初日の土曜日に書いたのですが、なんと! 月曜日にオリックスより電話がかかってきて火曜日には挨拶にいらっしゃいました。
本当にびっくりしました。
その時にステッカーいただきましたので、先着10名の方にプレゼントいたします。皆さまのご協力、応援! 誠にありがとうございました」

なんと、バファローズが挨拶に来たというのだ! 

看板でバファローズファンのスタッフがいると告知していたが、それを見てすぐさま球団が挨拶に訪れるなんて......。

Jタウンネット記者は11月22日、オリックス・バファローズの営業部担当者にその顛末を聞いた。

看板画像を見て訪問

営業部の担当者によると、バファローズの営業担当がフジオートに訪れたのは事実。ツイッター上で看板の投稿を見て10月24日に電話をし、25日に訪れたという。

「会社のことや看板のこと、どのくらいのファンなのか、球場への来場頻度といったヒアリングとオリックス・バファローズの今シーズンの振り返りを行いました」(オリックス・バファローズ営業部担当者、以下同)

オリックス・バファローズにとっては、このような「訪問」は珍しいものではないようだ。同球団は「地域の皆様に支えられているプロ野球球団」という認識のもと経営を行っており、特にオリックス・バファローズを応援している関西圏の企業へは積極的にアプローチを行っているとのこと。

「大阪府内にはプロサッカーチームやプロバスケットボールチームもあり様々な選択肢がある中で、1人でも多くの方にオリックス・バファローズを認識していただき応援していただきたいという思いがあります。そのような地道な活動がスポンサー様の獲得やシーズンシート(年間指定席)のご契約に繋がると思っております」

今回は初めての訪問ということで、営業的な話はあまりしなかったものの、将来的に「いろんな形」で応援してもらえるよう、お願いしてきたそうだ。

ちなみに、フジオートに置いていったステッカーは、バファローズのパ・リーグ優勝記念ステッカーだという。

パ・リーグ優勝記念ステッカー(画像はオリックス・バファローズ提供)
パ・リーグ優勝記念ステッカー(画像はオリックス・バファローズ提供)

パ・リーグ連覇、日本一にもなったバファローズ。強いチームなら何もしなくたって応援する人が出てきそうなものだが、それでも熱い気持ちをもって営業を行う。そんな球団の努力がファンを増やし、チームを盛り上げ、勝利という結果にも結び付いていくのかもしれない。

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