虐待から逃れ、夜の街を彷徨う中学生 声をかけてくるのはブルセラ目的のオジサン...行き場のない彼女に1人のホームレスが与えたもの
人気のない場所にいると、「パンツ売ってくれない?」
ネットカフェなどもまだない時代で、行き場のない私は繁華街から少し離れた公園のベンチなどに座って時間を過ごすこともありました。
しかし、そうするとサラリーマン風の男性などが近づいてきて「パンツ売ってくれない?」などと金銭をちらつかせることもしょっちゅうです。一か所に長居するのは危険だと学習してからは、夜の街を転々と歩き回るのが常でした。
私がいつも過ごしていたのは新宿でした。
新宿駅は東口に行くとナンパやキャッチが多く、どうしても空腹で仕方ない時などはそれを利用できる場所でした。代わりに身の危険も大きく、尊厳や心を傷つけられることも覚悟しなくてはなりません。
一方、ビジネス街の西口は夜になると人気もなく静か。少しでも身体を休めたい時は、こちらを歩き回ってベンチなどを探しました。
その日は新宿中央公園にいましたが、「パンツ売っておじさん」に遭遇してしまい、今夜はこれ以上ここにいられないと判断した私は、次の居場所を探して歩き出しました。