「小学生の僕と友達を送ってくれると言ったド金髪ヤンキー。彼らのワゴンに乗り込むと『1人5千万円で...』」(山梨県・50代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Iさん(山梨県・50代男性)
その日、小学生のIさんは友達と一緒に少し遠くまで遊びに出かけた。
その帰り道、乗る予定だった電車を逃してしまい......。
今から45年ほど前の冬、小学5年か6年生だったころ、友達と4人で山梨県甲斐市の竜王駅から電車で清里にあった「八ヶ岳パンテスコープスケートセンター」に遊びに行きました。
その帰り、乗る予定だった14時の電車を逃してしまったのです。
次の電車がくるのは2時間後。そんなとき、仲間の一人が観光マップを発見し、僕たちは思いました。
「長坂駅すぐじゃん!」
実際は、かなり離れているのですが......。
真っ金金の金髪ヤンキーが登場
そんなことは知りもせず、4人は徒歩で長坂駅を目指すことにしました。
しかし山間の長い直線を下りきる前に日は落ちはじめ、待っていれば電車に乗れるはずだった16時が目前に。
そこで、距離感を勘違いしていたことに友人の一人が気付きます。
「やばい、バス停まで戻ろう」
そいつが叫びましたが、時すでに遅し。4人の前を、乗りたかったバスが走っていたのです。
そこに白い商用ワゴンが止まりました。
助手席に座っていたのは、そりゃもう真っ金金に髪の毛を染めたヤンキーのお姉さん。そんな人が「どこに行くぅ?」と声をかけてきたもので、僕たちは委縮してしまいました。
するとスライドドアが「ガガ~ァ」と開き、今度は白いつなぎのヤンキー兄さんが登場。
「送るから乗れし!!」
怖かったですが、僕たちは言われるがまま車に乗り、床に座り込みました。そこでヤンキー兄さんが言いました。
「一人5千万の4人で2億だな」
小学生、沈黙
僕たちは全員、沈黙するしかありませんでした。
それを見てヤンキー兄さんは「冗談だわ、行き先は?」。それから、長坂駅まで送ってくれました。
そして僕たちを下ろした後、「若いからって無茶するなよ」といって笑顔で親指を立て、去っていったのでした。
兄さん達の顔立ちも思い出せない今ですが、生涯忘れる事のない大切な思い出です。
本当に助かりました。あの時はありがとう。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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