「もうすぐ降りる駅なのに、体が全く動かせない。席に座ったまま泣く私を、周りの乗客たちが...」(富山県・年齢不明女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Mさん(富山県・年齢不明女性)
15年前、Mさんは大学生の息子に会うために地元・富山から東京にやってきた。
しかし、息子と行きたい場所が違ったため、途中から1人で別行動をすることに。楽しい時間を過ごし、待ち合わせ場所に電車で向かっていたのだが......。
<Mさんの体験談>
15年前、富山から東京に遊びに行った時のことです。
当時、息子は学生で東京の大学に通っていました。息子は新宿や渋谷、原宿などへ買い物に連れて行ってくれたのですが、男の息子とは行きたい場所が違ったため、途中から別行動することに。
半日だし携帯もあるから何とかなると思っていましたし、実際1人で楽しい時間を過ごすことができました。
でもそれが無謀なことだったのだと、息子との待ち合わせ場所に向かう電車に乗ってから気付いたのです。
座席で涙を流すことしかできなくて...
電車では席に座れてほっとしていたのですが......降りる駅に近づいても体が動きません。
実は私、パーキンソン病なんです。ただ、当時は薬の効いている時間は普通に歩けていました。なのにこの時、全く動けなくなってしまったのです。
突然のことに私はパニック。涙も出てきてしまいます。
そんな私を見て、横や前に座っていた方が声をかけてくださいました。
「ここで降りたいのか?」
私が「はい」と返事をすると、ある人は私の通る場所を開けてくれて、ある人は荷物を下ろしてくれて、そして私自身のことも、2人の方が両脇から抱えて下ろしてくれたのです。
とても素早い連係プレーで、振り向いたときには電車はすでに発進。
都会の人は歩くのも早いけど、行動も早く、驚きました。涙がぽろぽろこぼれる目から、小さくなっていく電車が見えたのを覚えています。
助けていただきありがとうございました。
「忘れられない旅先での思い出」教えて!
Jタウンネットでは読者の皆さんが経験した「旅先いい話」を募集している
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行した時期・場所、具体的な内容(旅行でどんなことがあったか、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)