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20代都会育ち、田舎暮らしに関心大 ←そんな私のためだけの「移住体験ツアー」を無料で作ってもらった話 IN 西条

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2022.09.30 13:00
提供元:西条市

気になっている街がある。愛媛県にある「西条市」だ。

記者は生まれてこの方ずっと横浜に住んでいて、地方に親戚もいない純度100%のハマっ子。横浜での都会的な生活、何不自由ないと言っていい。しかし、在宅勤務続きの毎日の中で、どうしても豊かな自然と触れあいたくなってしまう。

西日本最高峰の山「石鎚山」や、そこから流れてくる青々とした「加茂川」、そして美しい瀬戸内海......。

自然に囲まれた西条で暮らせたら、どんなにか気持ちのいいことだろう――。止められない憧れに突き動かされるまま、記者は四国へ飛んだ。

まずは地元グルメで腹ごしらえ

西条市は日本でトップクラスの「若者が移住したい田舎」だ。月刊誌「田舎暮らしの本」(宝島社)による「住みたい田舎ベストランキング」の「若者世代部門」で、2020~2022年の3年連続で1位を獲得。市としても移住施策に非常に力を入れていて、移住推進課が移住希望者向けに手厚いサポートを行っている。

その内のひとつが「1泊2日無料移住体験ツアー」。宿泊費や西条での食費だけでなく、往復の交通費まで無料で、プロフィールや希望に合わせ、完全オーダーメイドのツアーを作ってもらえるのだ。

「西条で暮らす」というのは、どういうことなのか。それを具体的にするため、「20代女性・単身・都会育ちの私が移住しても生活していけるのか」をテーマにツアーをお願いしておいた記者が愛媛県松山空港に降り立つと、移住推進課の職員が車で迎えに来てくれていた。

いざ「私だけのオーダーメイドツアー」の開幕だ。


空港から西条市内までは車で45分ほど。お昼時だし、食べることが大好きな記者はまず「食」から西条市を体感させてもらうことになっている。

連れていってくれたのは、市内の老舗イタリアン「マルブン小松本店」だった。

可愛らしい外観(画像は編集部撮影、以下同)
可愛らしい外観(画像は編集部撮影、以下同)

ここでは、ふるさと納税の返礼品にもなっている「愛媛西条てっぱんナポリタン」を提供している。

西条にはおっとりした人が多く、ゆっくり食事を楽しむために、冷めにくい鉄板スタイルのナポリタンが定着したそう。市内で複数の店がメニューを提供していて、観光物産協会がご当地グルメとしておし出している。

「愛媛西条てっぱんナポリタン」(レギュラーサイズ・税込1100円)。
「愛媛西条てっぱんナポリタン」(レギュラーサイズ・税込1100円)。

マルブンのナポリタンを食べると、濃厚なトマトの味とガツンとしたにんにくの風味が口いっぱいに広がる。おいしすぎて一気にたいらげてしまったので、冷めにくいのかどうかを検証することができなかった......。

マルブンは、洋食はもちろんデザートメニューも豊富。何度通っても飽きが来なさそうだ。

マルブンのメニュー
大迫力の「オムライスとでっかいエビフライ」(レギュラーサイズ・税込1000円)に、西条市小松町・石鎚地区に古くから伝わる幻のお茶「石鎚黒茶」(スイーツに税込264円で追加可能、詳しくはこちら)と「石鎚黒茶とキャラメルリンゴのパイ」(ダブル・税込660円)。

買い物事情が心配、だったが...

今回のツアーのテーマは「生活」。まずは、暮らしに必要不可欠な場所から案内してもらう。

「田舎」と称される西条での買い物事情は、どんなものか。ちょっと心配していたのだが、そんな不安は市内を車で走り始めてすぐに吹き飛んでしまった。

24時間営業の「LAMU」、駐車場ももちろん広い
24時間営業の「LAMU」、駐車場ももちろん広い

スーパーが超いっぱいあるのだ!しかもどこも大きいし、品揃えも豊富。生鮮食品がどれも新鮮で安くて驚いた。

スーパーだけでなく、ドラッグストアや西松屋などの便利なお店、そして、若者の味方「ドン・キホーテ」や「ダイソー」も。品揃えも首都圏と変わらないので、安心感がある。買い物に困ることは全くなさそうだ。

スーパーだけじゃない
スーパーだけじゃない

利便性も高く、若者が住むのにオススメの地域だという伊予西条駅周辺の「大町」エリアには24時間営業のスーパーもあるし、外食チェーンの店舗も多い。これだけでもう、生活をするのに不自由はなさそうな気がしてきたぞ......!

普段住んでいる横浜市内よりもスーパーが豊富で、なんだか興奮してきた。しかも、こんな場所もある。

緑の芝生に癒される
緑の芝生に癒される

地元の野菜や果物、地元食材を使ったお惣菜やお弁当、パンなどありとあらゆる地元の「食」が並ぶ「いとまちマルシェ」だ。

提灯がオシャレ
提灯がオシャレ

横浜ではなかなか見かけないような種類の野菜や果物もあり、見ているだけでワクワクする。西条で暮らし始めたら、毎日気になる見知らぬ食材を買って料理するのも楽しそうだ。

立派なブドウに、「マー坊ナス」!?
立派なブドウに、「マー坊ナス」!?

また、お弁当もお惣菜も美味しそうで、何よりお手頃。数量限定のため、すぐに売り切れてしまう人気商品も多いとか。

日替わりで具が変わる「おさかなカツ丼」、美味しそう。この日の「おさかな」(?)はエビだった。
日替わりで具が変わる「おさかなカツ丼」、美味しそう。この日の「おさかな」(?)はエビだった。

いとまちマルシェの向かいには東京・銀座のイタリアンレストラン「Er bisteccaro dei magnaccioni」の山崎夏紀オーナーシェフ監修のレストラン「Er Bisteccaro ito」も。イタリアからの輸入食材をメインとしたショップ「FOOD GARDEN ITO」が併設されていて、オリーブオイルやワイン、パスタソースやチーズなど、厳選された食材が並ぶ。

ちょっとした贈り物にもよさそうなオリーブオイル
ちょっとした贈り物にもよさそうなオリーブオイル
ジェラートは日替わりで毎日8種類~10種類ほどあるとのこと
ジェラートは日替わりで毎日8種類~10種類ほどあるとのこと

本場の味を楽しめるジェラートも販売されていた!

マルシェには広い芝生のエリアもあるので、休みの日の朝に来て、お弁当やこのジェラートをおともにのんびり過ごすのも楽しそう......なんて妄想が膨らむ。

休日も満喫できる?

そう、大切にしたいのは休日。西条ではどんなふうに過ごせるのだろう。

豊かな自然の中でSUP、トレッキング、キャンプ、釣りなどアウトドアな遊び方ができるのは知っているが、インドア派がのんびりできるスポットなんかもあるのだろうか。

ツアーを組んでもらう時に、そんな場所があれば教えてほしいと伝えておいたところ、案内されたのが西条市立西条図書館だった。

木の暖かさを感じるシックで落ち着いたデザインの外観
木の暖かさを感じるシックで落ち着いたデザインの外観

中に入ってみると、ガラスの窓が大きくて明るい。開放的な雰囲気であると同時に、図書館らしくとても静かなのが嬉しい。居心地がいいので、ここでのんびり本を読んでいたら、あっという間に時間が経ってしまうかも。

すぐ近くには綺麗なせせらぎもあった。借りた本を片手にこのあたりでぼーっとするのもきっと素敵だ。

図書館近くの「アクアトピア水系」と、広々とした窓が開放的な館内
図書館近くの「アクアトピア水系」と、広々とした窓が開放的な館内

市立図書館で過ごした後は、20分ほど歩いた先にある「WTNBcoffee in the HOUSE」でティータイムを楽しむのもよさそう。「一人でも気軽に入れるような飲食店があれば教えてほしい」というリクエストに応えて案内してもらったお店だ。

雰囲気のあるカウンター席
雰囲気のあるカウンター席

とても感じのいいオーナー夫妻が明るく出迎えてくれるこの店の人気商品は「出汁巻タマゴサンド」。テイクアウトも可能で、お土産に買っていく人も多いとか。

「出汁巻タマゴサンド」(税込850円)
「出汁巻タマゴサンド」(税込850円)

関東出身の記者は、卵焼きを挟むタイプのタマゴサンドをここで初体験。噛むと出汁がじゅわっと溢れ出てくるプルプルの卵焼きと、パンに塗られた自家製照り焼きソースが相性抜群でめちゃくちゃ美味しい。ボリュームもあるので、ランチにもうってつけだ。

オススメの「季節のフルーツパフェ」(税込1200円)
オススメの「季節のフルーツパフェ」(税込1200円)

地元のフルーツをふんだんに使った「季節のフルーツパフェ」はラム酒香るブルーベリーソースや紅茶のカスタードなど、細部までこだわりがつまっているし、何よりいちじくと桃がとっても甘くて感動した。

店内にずらりと並んでいるワインボトルも気になるところ。これは西条に移住したら、昼も夜もお世話になりそうな予感!

「移住コンシェルジュ」に相談できる!

生活用品を買える場所、美味しいご飯を食べられる店、余暇を楽しめるスペース。これだけあれば、移住後も豊かに暮らせそうだが、1人きりなのはやっぱり寂しい。

縁者のいないこの街に住むとしたら、孤独と向き合うしかないのか? いや、そんなことはない。

2022年7月にオープンしたばかりの「SAIJO BASE」にいけばいいのだ。

SAIJO BASEのコンセプトは「市民の交流と新たなチャレンジを応援する複合施設」。その一角には、「移住コンシェルジュ」がいて、空き家バンクに関するものを中心に、移住相談全般に対応してくれるそう。

平日9時から17時半まで(案内等のため不在の場合もあり)
平日9時から17時半まで(案内等のため不在の場合もあり)

移住者をサポートするために相談にのるだけでなく、移住者同士の交流イベントなどの開催も検討中。「ここに来れば誰かと出会える」――そんな場所になっていくに違いない。

SAIJO BASE内にはコワーキングスペース(有料スペースは1時間100円、無料スペースも有り)やカフェもあるので、リモートワークで利用すれば、仕事も友達もできるかも?

ツアーに行ってみたいなら、まずは移住セミナーへ

また、移住体験ツアーには、引っ越した後にも心強い「先輩移住者」との出会いも組み込まれている。

都内から西条へ移住して、困ったことは「ない」

記者が紹介してもらったのは、2022年2月に東京都内から西条市に移住してきた渡邊さん一家だ。移住をして半年ほどの、フレッシュな声を聞かせてくれた。

左から妻の加奈子さん(37)、息子の晴(はる)くん(5)、夫の泰資(たいすけ)さん(47)
左から妻の加奈子さん(37)、息子の晴(はる)くん(5)、夫の泰資(たいすけ)さん(47)

夫の泰資さんの仕事はシステムエンジニア。コロナ禍でフルリモート勤務になったが、それまで住んでいた1LDKの部屋では仕事をするスペースを確保することが難しかった。そこで引っ越しを考えはじめ、「地方移住」という選択肢を選ぶことに。

候補地としてまず考えたのは東京にも行きやすい関東近郊の地域で、いくつかの県には足を運んでいたという。

泰資さん:西条が気になり始めたのは、移住について調べていたら人気ランキング1位となっているのを見かけたからです。といっても、愛媛には縁もゆかりもないし、そもそも四国にも行ったことがなかったので最初は『移住の可能性は一番低いかな』と思ってました。

泰資さんの実家は宮城、妻の加奈子さんの実家は新潟で、それぞれの地元も近いわけではない。

移住先候補としては「大穴」だった西条。それが「本命」になったのは、オーダーメイド型の「1泊2日無料移住体験ツアー」への参加がきっかけだった。

記者は「1人で西条に移住して、暮らしていくこと」をテーマにツアーを組んでもらったが、渡邊さんたちは親子での移住なので、同じような家族構成・境遇の先輩移住者家族や、子供のための場所も紹介してもらったそう。

加奈子さん:実際に来て、案内してもらって、すごくしっくりきたんです。海もあって、山もあって、町並みもよくて、直感ですごく気に入りました。周ちゃん広場っていう市場に連れていってもらったときは『こんなに安くて新鮮なものが食べられるんだ!』って感動したし、ツアーの中で見せてもらった日本海とも太平洋とも違う、すごく綺麗な海も衝撃で忘れられません。息子もすごくはしゃいでいました。
泰資さん:今実際に子供が通っているところではないんですけど、市内の幼稚園を案内してもらったよね。校舎も園庭も広くてすごくいいなと思いました。

移住後の生活を具体的にイメージできるツアーを体験してから、約3か月。一家は西条に引っ越すことを選んだ。

この街で約半年を過ごしてみて、「東京で『出来なかったこと』や『やれなかったこと』をやれているなって感じがする」と口を揃える加奈子さんと泰資さん。大変だと感じたことや困っていることはないか尋ねると、加奈子さんが少し悩んだ後、こう言った。

「私はないかも。特にぱっと思いつかないくらい満足してます」

そして、単身で西条にやってきた記者に、「単身者でも楽しく暮らせると思いますよ。私も、一人暮らしでも西条に住みたいなって思うもん」と言って背中を押してくれたのだった。

移住セミナーに参加して、先輩の話を聞いてみよう!

あなたにとって西条は「行くところ」? それとも「住むところ」?

渡邊さん一家は1泊2日無料移住体験ツアーで、いろんな場所に行き、西条の人々と出会った。その中でも一番の「決め手」になったのは「移住推進課の人の熱意」だったという。

加奈子さん:1泊2日案内してくれた移住推進課の石川さんと別れるとき、息子が帰りたくないって泣いちゃったんです。人見知りなタイプだったんですが、すっかり懐いちゃって、飛行機に乗り遅れるかと思うくらいでした。
それだけ熱意を持って対応してくれたところは他になかったので、実際に移住してきてからも石川さんがサポートしてくれるんだろうなって思い、安心感がありました。

実を言うと、記者の体験ツアーを組んで、案内してくれていたのも、この「石川さん」――移住推進課副課長の石川浩二さん(46)だ。

移住体験ツアーをアテンドしてくれた石川さん
移住体験ツアーをアテンドしてくれた石川さん

西条市の移住推進課では「1泊2日無料移住体験ツアー」や、宿泊無しだがツアーと同じように"その人だけのために"市内を案内してくれる「アテンドサービス」など、本気で移住を考えている人に向けた手厚いサポートを提供している。

石川さん:小さなお子さんがいらっしゃったりするような方は、移住したいと思っていてもなかなか気軽にその場所を見に行くってことは難しいですよね。そんなふうに我々のサポートが必要な方に向けて実施しています。

石川さんたちがこの体験ツアーやアテンドサービス等で移住検討者を案内する際、一番重点を置いているのは「人同士のネットワークづくり」。同じ境遇や家族構成の先輩移住者や、興味のある分野や仕事等に関係する地元の人を紹介して、参加者と西条の人を結び付けている。

石川さん:ツアーが終わってからもそこで知り合った方々とのやり取りが始まっていくことで、一過性で終わらずに、次のことが考えやすいのかなと。それに、そんな人との繋がりがあれば、すでに知り合いがいる状態で西条に来てもらうことができるので、安心して移住してもらえるんじゃないかな、と考えています。

ツアーに参加するのは主に家族連れだが、過去には単身者の案内も何度かしたことがあるそう。そんな石川さんに、記者のような若者が西条に単身移住してきて楽しく暮らせるだろうかと、改めて相談してみた。

石川さん:いわゆる『田舎ぐらし』がしたい、という方であれば西条市内のどこかにきっと求めている場所があると思います。『田舎』でありながらも、ある程度の利便性もある。温暖な地域で水も美味しく、野菜や果物も美味しいので健康志向な方や食べることが好きな人にはいいと思います。アウトドアが好きっていう人なんかも、向いてると思います。
ただ、都会と比べてしまうと、特に若い人にとっては、どうしても『ないもの』の方が多いです。
自然豊か、だけど「ないもの」も多い(画像は西条市提供)
自然豊か、だけど「ないもの」も多い(画像は西条市提供)

だからこそ一度、西条に来て、確かめてほしいと、石川さんは訴える。

石川さん:今の生活に不安や不満があって現状を変えたい、との思いで、移住を選択肢の一つにする人もいらっしゃると思います。ですが、それは『移住』で解消できることなのか、その人が求めているものは西条にあるのか? 実際に来て、この地域を見て知って、いろんな人と話してもらうことで、確認してもらえればと思っています。
西条があなたにとって『住むところ』なのか、『行くところ』なのか、ツアーを通じてそれを判断してもらいたいんです。

繰り返しになるが、1泊2日無料移住体験ツアーは、オーダーメイド型でその人や家族にあった行程を組んでくれるというだけではなく、交通費や食費、宿泊費が全て無料。市が行っている移住相談セミナーに参加した希望者の中からの選考を経る必要があるものの、ふつうに考えて、あり得ないくらい手厚い。

その背景にあるのは、ただ単に「移住してほしい」という思いではなく、「納得してから西条にきて、そして、暮らしていってほしい」という真摯な思い。本気で移住を考えている人には、本気でぶつかる――西条市の移住推進課にはそんな情熱があるのだ。


そんなふうに、真剣に移住検討者のことを考えてくれる西条市の移住セミナーが、東京で開催される。2022年10月29日(土)と30日(日)、場所は東京・八重洲の移住・交流情報ガーデン。


このセミナーでも先輩移住者や移住推進課の人から「生」の声を聞くことができるので、西条市への移住に興味を持ったという方はまずこのセミナーから気軽に参加してみてはいかがだろう。あなたの新しい「住むところ」が見つかるかもしれない。

<企画編集・Jタウンネット>

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