指紋より細かいんだが...? 超絶技巧のミニチュア作家が作る「切子グラス」に心奪われる
「#多分私しかやってない」
2022年8月下旬、そんなハッシュタグをつけた呟きがツイッター上にあふれた。様々なユーザーが投稿する見たこともない光景を見ていたら、燦然と輝く1つのツイートが記者の目に飛び込んできた。
独特の模様や色合いが美しい「切子グラス」をミニチュアで再現しているというユーザーの投稿だ。
こちらは、北海道在住のミニチュア作家・Megumi Hachinohe(@meguxmini)さんが2022年8月24日に投稿した画像。
並べられているのは、青や緑色の模様がある切子のグラス。ディテールまで綺麗に作られているため、一瞬本物かと思ってしまうが、冒頭でも述べた通りこれらはミニチュアだ。しかも、人間の指先よりも小さいサイズだから驚きである。
まさに職人技と言ってもいいミニチュア切子に、ツイッター上ではこんな声が。
「実寸の切子だって、こんなに素敵なものがあったらドキドキしちゃいます」
「精巧さに鳥肌たちました」
「人間国宝級の腕ですね」
一体、どのようにして作り上げられているものなのだろうか。Jタウンネット記者は25日、製作者のMegumiさんに話を聞いた。
こだわりは「ミニチュアに見えないように仕上げる」こと
「アクリル棒を削ってミニチュア切子グラスをつくる」
写真に添えられた呟きの通り、Megumiさんはアクリルの棒を削って切子グラスのミニチュアを制作している。作品づくりは2018年頃から始めたそうだ。
「ミニチュア作家としてはずっと作品づくりをしていたんですが、あるとき小さな展示会をする事になり、もっと目を引くキラキラした作品を作る必要があると考えて、思いついたのがミニチュアで切子グラスをつくることでした」(Megumiさん)
制作手順としては、まず木工で使う旋盤の機械を使ってアクリル棒を削り出し、グラスの形にしていく。その後、リューター(電動の切削工具)を使って模様を彫って完成となる。
制作にあたってこだわっている点として、Megumiさんは
「肉眼でみるとき美しいのはもちろんですが、写真でアップで見たときにも美しく、粗が少ないように、ミニチュアに見えないように仕上げるようこだわっています」
と語った。たしかに、ズームされた写真を見ても本物のようにしか見えないクオリティだ。
Megumiさんは、作品に多くの反響が寄せられていることについて
「みなさん驚いたり感動してくださるのでシンプルに嬉しいです。ミニチュア制作はどうしても孤独な作業ばかりなので、反響をいただけると次の作品づくりの励みになります。いつもコメントをくださる方もいて、本当に感謝しています」
とコメントしている。Megumiさんのこれからの作品も楽しみだ。