躍動感がハンパねェ...! 「走り大黒」が呼びかける「奈良マラソン2022」募集パンフがカッコよすぎると話題
「異形の大黒天」と思われていた「伽藍神立像」
奈良国立博物館のウェブサイトや文化庁の文化遺産オンラインによると、この「伽藍神立像」はかつて「異形の大黒天」であると解釈されており、「走り大黒」として親しまれていた。
近年では寺院伽藍の守護尊である「伽藍神」の中の「監斎使者」であると考えられているが、いまだ「走り大黒」のイメージが根強いようだ。
奈良国立博物館の収蔵品データベースでは、この像について次のように解説している。
「頭巾をかぶり袍(ほう)と袴(はかま)を着て、手を大きく振って疾駆する像である」
「躍動的な姿勢や、生彩に富んだ面貌に、鎌倉時代後期の造形感覚が表れている」
そんな伽藍神立像を使ったパンフレットのデザインにあたっては、実は、かなり苦心があったようだ。角度によって見え方が大きく異なるので、疾走している感じを出すには、どの画像をどんな角度で使用するのかいいか、試行錯誤したという。
ところで募集パンフのインパクトのおかげか、「奈良マラソン2022」の参加者は既に定員に達し、もう締め切ったとのこと。さすが「走り大黒」だ。結果を出すのも、素早い。
野田事務局長は、次のようにコメントした。
「『奈良マラソン』はたんにマラソン競技としてだけではなく、たくさんの方に奈良にお越しいただき、奈良の魅力を知っていただくという目的を持って開催しています。
この『伽藍神立像』は7月5日から奈良国立博物館の『なら仏像館』で展示されていますので、マラソンに関心のある方も、ない方も、ぜひ奈良国立博物館にお越しいただき、実物をご覧ください。
そして、ここを起点に奈良県の様々なところを訪ねてほしいと思います。もちろん感染症対策をしっかりしてお願いします」