異世界に繋がる裂け目みたい...! 歩道橋の陰に閉じ込められた天の川がカッコよすぎる
「天の川を捕まえました」
そんなコメントと共に投稿された一枚の写真が、ツイッターで注目を集めている。
これは2022年7月6日、ツイッターユーザーのふぁれん(@fahrens_photo)さんが投稿した写真。
影によって雫のような形に切り取られた空の真ん中に、星たちが並んでいる。
まさに「天の川を捕獲した」という表現がぴったりな不思議な一枚にツイッター上では35万3000件を超える「いいね」(15日17時時点)が寄せられるなど、大きな話題に。写真を見たユーザーからは感嘆の声があがっている。
「こんなにも美しいとは......」
「アメジストの原石みたいです!!」
「異世界へ行く扉みたいでいいですね」
「地上に現れた、空を覗く為の眼のようだ」
この場所は、いったいどこなのだろう。Jタウンネット記者は8日、投稿者のふぁれんさんに話を聞いた。
動いている星を綺麗に撮るために...
趣味で写真撮影をしているというふぁれんさんは5月30日、福島県中部・田村市でこの天の川を捉えた。星を閉じ込める影は、鍾乳洞「あぶくま洞」と「星の村天文台」を結ぶ歩道橋「天地人橋」。奥に見える建物が天文台だ。
夜になると暗くて見えず構図が決めにくいため、昼間から現地入りをして、方位磁石やスマホのアプリを使って、構図や天の川が大体どの時間に橋のすき間の中に収まるかなどの確認を行っていたそうだ。
橋の下から星空を捉える構図自体はSNSでよく見ていたことから、今回の作品では「星空部分の質の向上」に特にこだわった、とふぁれんさんは語る。
「星空は暗い中撮影をするので、長時間露出をしたい状況なのですが、星は日周運動で少しずつ動いているので、そのまま長時間露出をすると星が点状ではなく線状になってしまい、天の川もブレてしまいます。
そこで『赤道儀』という星の動きを追尾してくれる機材を使いました。そうすると、長時間露出しても星はブレません」(ふぁれんさん)
しかし、赤道儀は常に星を追い続けて動くという特性上、使用すると今度は風景がブレてしまう。そこで今回の作品では先に赤道儀を止めて風景を、次に赤道儀を動かして天の川を撮影し、それらを画像処理で合成する「新星景」と呼ばれる手法を取り入れた。
美しい天の川を捕まえるためにこだわり抜いた作品が話題となったことに対し、ふぁれんさんは
「まず、私の作品を沢山の方に見て頂きとても嬉しいです。
この作品を機に一人でも多くの方が星空に興味を持っていただければ幸いです」
とコメントしている。