「龍の体の中を歩いているような気分」 ゆるやかなカーブを描く木造階段に感嘆の声「凄い建築技術」
木って、こんなに滑らかに曲がるんだ......。
思わずそんな気持ちになる「階段」の写真が、ツイッター上で注目されている。
こちらは、大阪府在住のツイッターユーザー・かみーぬ(@11pre726)さんが2022年7月4日に投稿した写真。緩やかなカーブを描きながら上へと伸びる木造階段の外側を彩るのは、鮮やかな緑色が印象的な木々。まるで森の真ん中にいきなり階段があるようにも見える。
天気のいい日に歩いたらさぞ気持ちがよさそうだし、雨でも風情を感じられそうだ。
この素敵な階段は、一体どこにあるの?
Jタウンネット記者は8日、かみーぬさんに話を聞いた。
山の斜面に作られた階段
かみーぬさんが話題の写真を撮影したのは、京都府京都市にある浄土宗の寺院・永観堂禅林寺の境内の「臥龍廊(がりゅうろう)」という階段状の廊下だ。
同寺院の公式サイトで公開されているパンフレットによると、山の斜面に沿うような形で巧みに木を組み合わせて作られた廊下で
「起伏が激しく、龍の体の中を歩いているような不思議な気分が味わえる」
と紹介されている。言われてみれば確かに、身をくねらせる龍のようにも見えてくる。
かみーぬさんは、ネットサーフィンをしていたときにこの階段を見つけ、22年5月21日に現地を訪れた。
「とても静かで風情のあるいい風景でした」(かみーぬさん)
なお、撮影にあたっては「いかに新緑の美しさと階段のすごさを見せられるか」にこだわったそうだ。
雰囲気たっぷりの一枚に、ツイッター上でこんな声が寄せられている。
「えもいわれぬいい雰囲気ですね」
「週二日くらいぞうきん掃除して裸足で歩きたい」
「凄い建築技術。柱をカンナでRに削る工程を想像して、いきなり気が遠くなった。先人達の情熱に感銘です」
なお、14日に記者の取材に応じた永観堂禅林寺によると、臥龍廊は1504年に作られ、当時は境内の全てのお堂を繋ぐ階段だった。しかし、戦乱などにより荒廃し、現在の臥龍廊はそのうちの一部を昭和期に再建したもので御影堂の裏手から開山堂を繋いでいるという。
まわりの木々はほとんどがモミジで、狭い場所に一度に多くの参拝客が集まると危険なため紅葉の時期は渡ることができないそうだ。
春には数本ではあるが桜の木も見られるそうなので、臥龍廊を訪れるなら春~夏がいいかもしれない。