「北海道から出てきて、初めて体験した『京都の夏』。汗だくで自転車を押す私を、通りすがりのオジサンが...」(北海道・40代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Fさん(北海道・40代女性)
その日、Fさんは夏の京都の暑さと戦いながら、自転車を押して歩いていた。
北海道から京都に出てきたばかりで、まだ土地勘もない。汗だくになりながら、「なんとなく」で選んだ道を進んでいると、トラックに乗ったおじさんに声をかけられて......。
<Fさんの体験談>
大学に通うために京都に引っ越してきて、まだ半年も経たない頃のことです。
地下鉄駅の近くの、駐輪場ではない場所に誤って自転車を置いてしまっていたようで保管所まで引き取りに行かなければならなくなりました。
自宅の最寄駅は椥辻駅、保管所は六地蔵駅のそば。距離でいうと、5~6キロはあったと思います。
帰り道はあやふやで...
当時は地下鉄が六地蔵まで伸びていなかったので、バスで向かいました。
自転車は無事に回収できましたが、家までの帰り方に自信がなく、なんとなくこっちかなという程度で回収した自転車で帰路へ。
初めての土地だし、帰れるかすごく不安だったのを覚えています。
北海道から来たわたしにとって初めての京都の夏。とても暑い日でした。
急な坂道を、汗だくになりながら自転車を押して歩いていると、荷台の大きなトラックのおじさんに声を掛けられました。
おじさんは私の事情を知ると、そのトラックの屋根のない荷台にひょいひょいっと自転車を乗せて、近くまで送ってくれました。
あのまま闇雲に進んでいたら...
目的地に到着すると、おじさんは「ここでいいの?」と手際よく自転車を下ろしてくれ
「気をつけなよー!」
と言って、慌ただしく去っていきました。
あのまま闇雲に進んでいたらものすごく遠回りをしてしまうところでした。
あの時は、「ありがとうございました!」としか伝えられませんでしたが、住み始めたばかりで完全にアウェーだった京都が少しホームに感じました。もちろん今は京都が大好きです。
おじさん、あの時は本当にありがとうございました!もうお顔もおぼろげですが、今でも思い出すとほっこりします。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな人に、どこで、いつ、どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
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