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まさに「石が生きとる生きとる」状態だ! マスクを作り、PCでテレワーク...ユニーク羅漢像並ぶお寺に注目集まる

松葉 純一

松葉 純一

2022.07.02 20:00
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「はい、チーズ!」と言いながら、にこやかにカメラを構えるおじさん。カメラの機種は、過ぎ去りし2000年代には主流だった「デジカメ」――。

スマホで写真や動画を撮るのがすっかり常識となった令和の現代人にとっては、かなり懐かしい光景ではなかろうか。

2022年6月21日、「これまで数多くの仏像を撮影してきましたが、この度初めて『仏像に撮影される』という経験をしました」というコメントが添えられた写真が、ツイッターに投稿され、いま話題となっている。

それが、こちらだ。

「はい、チーズ!」な羅漢さん(みほとけ@mihotoke_chanさんのツイートより)
「はい、チーズ!」な羅漢さん(みほとけ@mihotoke_chanさんのツイートより)

お坊さんらしき石像が、デジカメを構えているのだ。

この写真を投稿したのは、「みほとけ」(@mihotoke_chan)さん。「お寺仏像研究家」で、浅井企画所属の芸人さんだ。このツイートには、8万8000件を超える「いいね」(28日夜時点)が寄せられるなど、注目を集めた。

このユニーク像はいったい何なのか? どんな経緯で作られたのだろう?

Jタウンネット記者はまず、みほとけさんに話を聞いた。

「写ってる人、みんな良い笑顔してそう」

音楽を聞いているらしい羅漢さん(みほとけ@mihotoke_chanさんのツイートより)
音楽を聞いているらしい羅漢さん(みほとけ@mihotoke_chanさんのツイートより)

投稿者・みほとけさんによると、写真を撮影したのは神奈川県川崎市麻生区、柿生駅の近くにある浄慶寺。紫陽花が見ごろを迎えていた2022年6月15日のことで、お寺には花と像をカメラに収めようとする何人かの人でにぎわっていたという。

アマビエと羅漢さん(みほとけ@mihotoke_chanさんのツイートより)
アマビエと羅漢さん(みほとけ@mihotoke_chanさんのツイートより)
「これは羅漢像といって、お釈迦様の弟子で修行に励まれた結果、最高位についた偉いお坊さんのことです。羅漢像は昔からユニークで個性的なものが全国的にみられるのですが、浄慶寺は特に思い切った動きをしていていいなと思いました。笑顔でイキイキしてて苔が乗ってるところもまた、味があって最高でした」(「みほとけ」さん)
腕相撲をする羅漢さんたち(みほとけさんのツイートより)
腕相撲をする羅漢さんたち(みほとけさんのツイートより)

現代という時代をイキイキと表す羅漢像の数々。ツイッター上では、こんな声も寄せられている。

「『仏様』ならぬ『ふぉとけ様』ですね」
「ユーモアのある石像が沢山あるもんですねぇ」
「フォッフォッフォッ 石が生きとる生きとる」

「石が生きとる生きとる」というのは、石材店「石のカンノ」(本店:福島県福島市)のテレビCMのキャッチコピーで、福島県内ではおなじみらしい。

みほとけさんもこれには「言い得て妙だな」と思ったそう。

また、「ほとけさまからの記念撮影 写ってる人、みんな良い笑顔してそう」というコメントも印象的だったという。

「この羅漢像を見たときに、私も笑顔になったので、確かにそうだよな~と」(「みほとけ」さん)

「現代の世相を表すものを作っていこう」

浄慶寺(画像提供:みほとけ@mihotoke_chanさん)
浄慶寺(画像提供:みほとけ@mihotoke_chanさん)

次にJタウンネット記者は浄慶寺に電話したのだが、東京都文京区の伝通院を案内された。同じ浄土宗という強い絆があるようで、伝通院住職は浄慶寺の住職も兼ねているそうだ。

そこで伝通院に電話し、いまSNSで話題となっている羅漢さんについて聞きたいと伝えると、「最近、問い合わせが多いのですよ」と苦笑しながら、次のように答えた。

「いま浄慶寺にある羅漢像は、もう30年以上も前から、茨城県のある石材店に制作を依頼しています。平成初期からだと思います。
現代の世相を表すものを作っていこうということで、住職と相談しながら、年に1体から2体、作ってもらっています。現在までに、約60体ございます。
最近のものだと、マスクをかけてミシンでマスクを縫っている羅漢さんとか、ノートPCでテレワーク中の羅漢さん、などでしょうか」(伝通院)
「みほとけ」(@mihotoke_chan)さんのツイートより
「みほとけ」(@mihotoke_chan)さんのツイートより

浄慶寺へ行くには、小田急線の柿生駅より南へ徒歩約10分。ユーモラスな羅漢さんに会いに、一度、訪れてみてはいかが。

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