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「なんで 『たばこ』は悪いのに 、パパは作ってるの?」 禁煙の時代を生きる「葉タバコ農家」の現実と情熱

大山 雄也

大山 雄也

2022.05.31 11:00
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「パパがタバコを作らなかったら世界はどうなる?」

厳しい時代であっても、葉タバコ農家を続ける小久保さん。ただ、日常生活の中には困ったこともあるそうで......。

「子供たちは禁煙風潮の中で育っていますから、『たばこは悪いって言われてるのに、なんでパパは作っているの?』なんて聞かれることがあります。今の時代ならではの困りごとかもしれませんね(笑)。
私は子供にそう聞かれたときは『パパがタバコを作らなかったら世界はどうなる?』と返しています。
葉タバコを作るのは、世界にいる喫煙者はもちろん、たばこ税が国や地方の財源になることで、さまざまな人たちの一助になっていると思うからです」(小久保さん)
畑で葉タバコの説明をする小久保さん
畑で葉タバコの説明をする小久保さん

15~16年にわたり、葉タバコを作り続けている穴沢さんと小久保さん。筆者は取材の最後に「2人にとって『葉タバコ』とは?」と聞いてみた。

「生きることの縮図。人生そのものに近いです。良いことも悪いこともある」(小久保さん)
「生きることです。思い通りにならないことも多々ありますし、勉強だらけの日々です」(穴沢さん)

葉タバコと人生を重ね合わせる2人。それだけ愛情と熱量を注ぎ込んで栽培を行っている証拠なのかもしれない。

普段から何気なく手にしているたばこはどこからやってくるのか――そんな疑問から今回の取材はスタートした。そして、たどり着いたのは、

「僕たちの吸っているたばこは、葉タバコ農家さんの人生をかけた仕事から生まれている」

という答え。

葉タバコに人生そのものを捧げる彼らの情熱の結晶――それを「心の栄養剤」として、喫煙者である僕らはまた、束の間の安らぎを得ていくのである。

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