キャンセルするのはもったいない! 「キャンセル続出」鳥取・浦富海岸の遊覧船の魅力がすごい
北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故の発生から2022年5月23日で1か月が経った。
乗客14人が死亡、12人の行方が分からなくなった甚大な事故は世間に大きな衝撃を与えただけでなく、他の地域の観光船にも影響を及ぼしている。
読売新聞オンラインの18日付の記事によると、知床半島沖での事故が報道された後、鳥取県の浦富海岸を巡る遊覧船では修学旅行客を含む約300人分のキャンセルが発生。大型連休中の客足もコロナ禍前に及ばなかったという。
しかし、浦富海岸で遊覧船を運航する企業・山陰松島遊覧(鳥取県・岩美町)はそんな状況に負けじと、ツイッターで同地の魅力を発信している。
同社のツイッターアカウントを見てみると、5月18日には「見て下さい!! この綺麗な海!! 今日は透明度がとっても高く、波風穏やかで、さらに青空という最高の日でした」とのコメントとともに、惚れ惚れするほど透明度の高い美しい海の写真を投稿。
翌19日にはドローンで撮影した航行中の遊覧船の写真をアップするなど、浦富海岸の魅力的な姿を伝え続けているのだ。
ゆったりと楽しめる遊覧船
ツイッターを見るだけでも、浦富海岸が魅力的な観光地であるのは十分伝わってくる。ただ、せっかくならもっとこの場所の良さを知りたい! ということで5月23日、Jタウンネット記者は同社で広報を担当し、自らも海に出ている遊覧船の船長に話を聞いた。
「今は梅雨前の時期。ちょうど良い気温で、気候も良いし、海もおだやか。遊覧船での観光にはベストなタイミングと言えます」(船長)
では、そんなベストなタイミングの浦富海岸を、いっそう楽しむためのポイントを教えてもらおう。
まず紹介してもらったのは、95人乗りの遊覧船。「山陰の松島」とも呼ばれる浦富海岸の島々を巡るコースで、「日本の白砂青松100選」にも指定されているの美しい砂浜や複雑に入り組んだリアス式海岸などの景観が楽しめる。
「遊覧船はデッキと客室が分かれていて、老若男女問わず何の準備もいらずに気軽に乗船できます。予約も不要です。
ゆったりとクルージングのように景色が頼めるのが魅力で、さまざまな角度から写真を撮っていただいたり、のんびり景色を楽しんで癒えてもらったり、楽しみ方の自由度は高いです。
透明度の高い海や山陰の松島とも言われる島の景観を思う存分に楽しんでいただきたい」
と船長。鳥取観光でふらりと浦富海岸に立ち寄って贅沢なクルージング......そんな楽しみ方もありなのかもしれない。
冒険感覚で楽しめる「小型船」
山陰松島遊覧では遊覧船だけでなく、12人乗りの小型船「冒険クルージングうらどめ号」もある。
「小型船は、遊覧船では通れない狭い航路を通り、洞門や洞窟にも入れるスリリングな体験ができます。遊覧船に比べて乗客と海面が近いので、より透明度の高い海を楽しめます。水しぶきも飛んでくるので、ゆったり観光というより、冒険の要素が入った刺激的なひと時を楽しみたい方にお勧めです」(船長)
魅力たっぷりの船でのひと時。さらに、安全面への配慮もバッチリだという。
同社の公式ウェブサイトには、運航の判断について航行中の波の高さが1メートル以上であれば運航中止とすると記載されている。
「1メートルの波だと低いように見えますが、航行中だと揺れが気になってくるレベルです。
我々は『安全』よりワンランク上、『お客様に航行を楽しんでもらえるかどうか』の基準で運行可否を決めています。ですから、以前は『なぜ船が出られないんだ』とクレームもらうほどだったのです」(船長)
ただ「安全」なだけでは、船は出さない。そんな山陰松島遊覧。
同社ウェブサイト上では4月26日に「弊社の安全への取り組みについて(https://yourun1000.com/2022/04/26/torikumi/)」というページを作成し、安全総点検の様子や運行基準、船内の救命設備などについて公表している。もしキャンセルしようか迷っている人がいれば、そちらを確認してからでも遅くはないだろう。