鎌倉大仏の背中に潜む「謎の存在」 ぽっかり空いた2つの「窓」は何のため?高徳院に聞いてみると...
一大観光地・鎌倉の高徳院に鎮座する「鎌倉大仏」(国宝銅造阿弥陀如来坐像)。
奈良・東大寺にある「奈良の大仏」(東大寺盧舎那仏像)と並んで日本を代表する大仏のひとつだが、実は謎も多い。
鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」には、建長4年(1252年)に鋳造が始まったとあるが、完成年や原型の作者、鎌倉幕府とのかかわりやその目的などは、今もはっきりとは分かっていない。
今回は、その鎌倉大仏の謎の1つに着目したい。それは背中に存在する。
鎌倉大仏の背面には、2つの穴が開いているのだ。外側に開く、両開きの扉が付いた窓のようになっている。2022年5月7日には、ツイッター上であるユーザーがこの「窓」の写真を投稿し、大きな話題を集めた。
この背中の窓は、何のために開けられたのか。実は鎌倉大仏に関する他の謎と同様に、こちらもはっきりとしたことはわかっていない。
お寺に聞いてみたけど...
5月10日、Jタウンネット記者が高徳院に取材を行い、背中の窓の由縁について聞くと、こんな回答があった。
「確かな資料はありませんが、大仏様を鋳造する行程の中で、中の土を外に出す際に使われたと言われています。明り取りのためとも言えるかもしれません」
また、窓についている扉は最初からつけられているわけではない。高徳院によると、「1736年に建長寺長好院から寄付されたとの記述がある」。
窓の扉は閉めることなく、常時開けっ放し。果たして何のためにつけられたのか......。
謎に包まれた「背中の窓」について、高徳院からはこんなコメントが寄せられた。
「背中の扉や窓も大仏様の謎の1つとして魅力と言えるのかもしれません」
今後、鎌倉大仏に参拝へ行った時は、正面だけでなく背中に注目してみるのもいいかも!