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もし奈良公園で鹿に触ったら「手をよく見て」 注意喚起ツイートに注目集まる

大山 雄也

大山 雄也

2022.05.11 17:00
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日本屈指の観光地として知られている奈良公園。この場所を訪れたとき、目に入れないことのほうが難しい存在が「鹿」である。

一緒に写真を撮ったり、鹿せんべいをあげたり、交流したことがある人も多いだろう。

奈良公園と言えば鹿がつきもの(写真ACより)
奈良公園と言えば鹿がつきもの(写真ACより)

そんな奈良公園の鹿との触れ合いについて、2022年5月4日にツイッター上で行われた注意喚起が注目を集めた。

「奈良公園で採取したマダニ。袖口や足元から侵入して噛み付いて吸血します。奈良の鹿は100%おりますし、公園も実はマダニだらけ。
『鹿に触るな』注意するより、触ったら手をよく見てね。公園で遊んだら体も見てね。付かれたら皮膚科に行ってね。怖い病気を媒介する事もあるよ。と説明する方がいい感じ」

あるツイッターユーザーがそんなつぶやきと共に、公園で採取したマダニの写真を投稿したのだ。

奈良公園の鹿にはマダニがいる――今まであまり聞いたことのない話だ。そのためか、この投稿は5月10日17時までにリツイートが7871件、いいねが1万件と大反響となっている。

鹿にハグをする人の姿も

9日、Jタウンネット記者の取材に応じたツイートの投稿者は鹿の観察と撮影が趣味で、毎日鹿と接しているためマダニにはかねてから注意を払っていたと語る。

また、鹿に触れずとも、公園や雑木林のマダニが手の上や服に付いてることもあるため、度々確認するようにもしているのだそう。

そんな投稿者がツイッターで注意喚起を行うきっかけになったのが、大型連休の出来事だった。

「連休中、久しぶりに奈良公園は多くの観光客で賑わいました。その際、お子さんや生徒さんが、ペットや触れ合いコーナーの動物の様に鹿を触ったり、中にはハグをしたりしているところをご家族が喜んで写真を撮っている場面に何度も出会いました。
鹿が突然攻撃することや、マダニがいるから気をつけて下さいね、といった話をさせていただくのですが、なかなかイメージが湧かない方も多く、写真や動画をツイートさせていただいた次第です」
奈良公園の鹿はあくまでも野生動物(写真ACより)
奈良公園の鹿はあくまでも野生動物(写真ACより)

また、注意喚起のツイートには、次のような思いも込めていたという。

「野生動物が暮らすアウトドアでキャンプやバーベキューなどのレジャーをされる方が増えていると思います。今回は私のフィールドの奈良公園のマダニを紹介しましたが、これをきっかけに自然の中で気をつけるべきことを子供たちと学びつつ楽しんでいただけたらと思います。
また、奈良の鹿たちは人馴れしていますが、あくまでも野生動物であることを頭の片隅において接していただきたいと思います」

公園側での注意喚起は?

では、奈良公園側ではマダニに関して何か注意喚起を行っているのだろうか。

10日、記者が奈良公園の管理や整備を行う奈良公園事務所の職員にマダニへの注意喚起を行っているかを聞くと、「マダニに関する注意喚起は行っていない」と回答。その一方で、こんな話をしてくれた。

「鹿は野生ですから、触らないというのが大原則です。公園内にも鹿との接し方に関する注意の看板を立てています」
奈良公園にある看板(すけさん撮影、Wikimedia Commonsより)
奈良公園にある看板(すけさん撮影、Wikimedia Commonsより)

マダニに咬まれるというと、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を心配する人もいるだろう。病原体を保有するダニに咬まれることで感染する病気で、重症化すると死亡することもある。

国立感染症研究所のウェブサイトを確認したところ、最新2021年7月28日時点のデータでマダニによるSFTS症例の届出地域に奈良県は含まれていないが、注意するにこしたことはない。

この機会に野生動物である鹿との接し方を考え直してみるのはいかがだろう。鹿たちは離れたところから眺めるだけでも、じゅうぶん可愛いのだし。

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