公園管理者も「見たことなかった」 茂みの中から出現した「謎の石像」が話題に→その正体を突き止めてみた!
作者の孫を直撃!
新島では、コーガ石を使った工芸品「モヤイ像」を各地に寄贈していたことがある。多摩美みどりの会の小林さんも、そうやって石像を手に入れたのだろうか。新島村の産業観光課の担当者は記者の質問に、以下のように答える。
「村から寄贈したモヤイ像は全国に13体あります。データを探してみましたが、川崎の方には送っていないです。正式に村から贈られたものではありません」
村から寄贈されていないとなれば、どこから仕入れたのか――筆者が頭を抱えていると、担当者はこんな情報を聞かせてくれた。
「モヤイ像は個人のアーティストの方の手で作られていて、その方が自分の店で販売していた可能性があります」
そのアーティストとは大後友市さん(故人)だ。モヤイ像の考案者であり、渋谷のモヤイ像を作った人物でもある。そこで筆者は4月27日、大後友市さんの孫である植松創さんにツイッター経由で石像について質問してみた。すると、こんな回答が。
「本物で祖父が作ったものに間違いなさそう」
では、新島村の産業観光課の担当者が言うように、大後さんが小林さんにモヤイ像を販売していた、という可能性はあるのだろうか。植松さんは「当時は個人の依頼も有償で何件か引き受けたと聞いておりますので、もしかしたらその中に小林さんもいたのかもしれません!」と教えてくれた。
つまり約40年前、小林さんは大後さんから購入した石像を多摩美公園に設置した。それは当初、道路沿いの見えやすい場所にあったものの、何らかのきっかけで茂みの中に移動することに。その後石像は人知れず佇んでいたところを、通りがかりの人によって「再発見」された――のかもしれない。
ある日突然脚光を浴びることとなった石像。今後、公園を訪れる人に愛されるスポットになっていくかもしれない。