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あずきバーを浸す...だと? アイス研究家が考えた「本格焼酎・泡盛×アイス」最強ペアリングがこちらです

井上 慧果

井上 慧果

2022.03.31 19:16
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おうち時間が多くなったことで増えた「家飲み」。

ここ数年、いかに自宅で楽しく美味しくお酒が飲めるかを試行錯誤してきたという人も多いことだろう。筆者もその一人である。

しかし最近は、「定番のスタイル」が決まってきて、何だかマンネリ気味。「何か新しい楽しみ方を試せないものか」とコンビニで今夜の晩酌のお供を探していると、アイスが目に入った。

3月になり、徐々に暖かい日も増えてきた。そうなると、アイスが食べたくなってくる。これにお酒を合わせたら、どうなるんだろう。

チューハイとアイス、洋酒とアイス、日本酒とアイスは、想像がつく。でも筆者の好きな本格焼酎や泡盛なら......?

アイスと一緒に楽しみたいのはこれらのお酒(編集部撮影)
アイスと一緒に楽しみたいのはこれらのお酒(編集部撮影)

とはいえ、スーパーやコンビニで入手できるアイスにもいろんな種類がある。どんなアイスが、どんな焼酎に合うのか。筆者の知識と舌だけで決めるのはいささか頼りない。

というわけで今回は、アイス研究家のシズリーナ荒井さんに「本格焼酎・泡盛とアイスのベストマッチ」を考えてもらうことにした!

用意した酒は、スーパーやコンビニなどで比較的手に入りやすい身近な本格焼酎4種類と泡盛1種類。

写真左から、麦焼酎「天の刻印」(佐藤焼酎製造場)、芋焼酎「黒霧島」(霧島酒造)、米焼酎「白岳」(高橋酒造)、黒糖焼酎「里の曙(町田酒造)、泡盛「久米島の久米仙」(久米島の久米仙)だ。

これらを使ってシズリーナ荒井さんが考えてくれたアイスとのアレンジレシピをご覧いただこう。

※焼酎・泡盛はお酒です。20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。

あのアイスを、こんな使い方で!?

天の刻印(てんのこくいん)

主な原材料:麦
佐藤焼酎製造場
宮崎県延岡市祝子町2388番地1

まずご紹介するのは麦焼酎「天の刻印」とのベストマッチアイス。

涼しげなフロート風(画像はシズリーナ荒井さん提供)
涼しげなフロート風(画像はシズリーナ荒井さん提供)

飲むアイスでお馴染みのロッテ「クーリッシュ バニラ」である。

グラスに氷と70~100ミリリットルほどの焼酎を入れた上に、クーリッシュをソフトクリーム状に盛りつける。

ロックにした「天の刻印」の上に...(画像はシズリーナ荒井さん提供)
ロックにした「天の刻印」の上に...(画像はシズリーナ荒井さん提供)
シズリーナ荒井さん:「天の刻印」はまろやかな口あたりで口に広がるピリッとした辛口がポイント。最後の後味はピリッとした余韻で終わるので、冷たさと甘さでトップを駆け抜ける味わいの「クーリッシュ バニラ」をファーストインパクトに持ってくるとハマると思いチョイスしました。
起承転結でいうところの「起」「結」にしっかりとアクセントを与える味作りができたと思います。冷たさからのコクうまなバニラアイスがトップを駆け抜けて、ゴール付近でビリッと締めくくる味わいの掛け合わせになりました。要するにストーリー性のある大人の甘辛アルコール飲料が完成してしまった
中毒性のある掛け合わせですので飲み過ぎ注意です。

クーリッシュはバニラだけではなく、ベルギーチョコレートや新ラインナップ「クーリッシュデザート」シリーズのストロベリーチーズケーキやダブルショコラ&クッキーなどの味でも楽しめるとのこと。バリエーションがあるのはかなり嬉しい!

一度で二度おいしい「禁断の楽しみ方」

黒霧島(くろきりしま)

主な原材料:さつまいも(九州産)
霧島酒造
宮崎県都城市下川東4丁目28号1番

続いては、味わい深くロックでも飲みやすい芋焼酎「黒霧島」とのベストマッチ。

爽やかさ抜群の「アイスボックス」(画像はシズリーナ荒井さん提供)
爽やかさ抜群の「アイスボックス」(画像はシズリーナ荒井さん提供)

森永製菓の「アイスボックス」(グレープフルーツ味)だ。

好みの量の焼酎とアイスボックスをいれるだけで完成。手に入れやすいだけでなく、手間もかからない。これは作りやすいぞ!

氷の代わりに(画像はシズリーナ荒井さん提供)
氷の代わりに(画像はシズリーナ荒井さん提供)
シズリーナ荒井さん:「黒霧島」と「アイスボックス」は間違いなかった。
「アイスボックス」は氷としてのロックの役割を持たせつつ、焼酎とカチ割り氷を同時に味わうことでさらにスッキリと飲みやすくなる。一度で二度おいしい禁断の飲み方かもしれません

見た目も涼しげで、これからの季節にもぴったりだ!

軽い口当たりの米焼酎には「アイスの実」を12粒

白岳(はくたけ)

主な原材料:米(国産)
高橋酒造
熊本県人吉市合ノ原町498番地

米焼酎「白岳」とのベストマッチアイスとしてシズリーナ荒井さんが選んだのは、江崎グリコの「アイスの実 濃いもも」だ。

見た目もかわいい!(画像はシズリーナ荒井さん提供)
見た目もかわいい!(画像はシズリーナ荒井さん提供)

「白岳」の軽い口当たりには果実系のアイスがマッチするのではと考えた。そこに果実のおいしさがぎゅっと詰まったアイスの実は「間違いなく合う」とのこと。

焼酎100ミリリットルに対し、ベストな「アイスの実」の量は12粒だ。

とろっと感がおいしそう(画像はシズリーナ荒井さん提供)
とろっと感がおいしそう(画像はシズリーナ荒井さん提供)
シズリーナ荒井さん:「白岳」と「アイスの実 濃いもも」は間違いなく相性抜群!
「アイスの実 濃いもも」には果汁・果肉が60%も入っているので濃厚な味わい。「白岳」との相性は約束された味でした。「アイスの実」はいろんなフレーバーがあるので、自分好みの「アイスの実」と合わせてもいいと思います!

「アイスの実」がだんだんとお酒に溶けだしていくことで、ドリンク部分の濃さが変わっていくのも楽しめそうだ。

焼酎をかけることで、アイスが「より食べやすく」

里の曙(さとのあけぼの)

主な原材料:黒砂糖
町田酒造
鹿児島県大島郡龍郷町大勝3321番地

お次は黒糖焼酎「里の曙」。

シズリーナ荒井さんが、選んだアイスはフタバ食品の「サクレ レモン」だ。

スイーツみたい...!(画像はシズリーナ荒井さん提供)
スイーツみたい...!(画像はシズリーナ荒井さん提供)

器に盛りつけたサクレに焼酎50ミリリットルをかけることで完成。

「里の曙」に「口あたりまろやかで全体的にスッキリとした味わいで、罪深い焼酎」という印象を受けたというシズリーナ荒井さん。そんな特徴がどんなアルコール飲料とも合う「サクレ レモン」の味をかき消すことなく、むしろ美味しさを高めてくれるのではと思い、掛け合わせてみたそう。

それぞれの味を活かした組み合わせ(画像はシズリーナ荒井さん提供)
それぞれの味を活かした組み合わせ(画像はシズリーナ荒井さん提供)
シズリーナ荒井さん:「サクレ レモン」のサクサク氷の秘密は氷に含まれる空気。製造過程でミキサーに約5分かけサクサク食感にしているのでスプーンでも掬いやすく、浸透もしやすいので「里の曙」を注ぎ入れるとより食べやすくなりました
口あたりまろやかで全体的にスッキリとした味わいがレモンの酸味とシロップ氷の相性がバツグンでした」(シズリーナ荒井さん)

泡盛にはまさかの「アレ」が...!

久米島の久米仙(くめじまのくめせん)

主な原材料:米(インディカ種)
久米島の久米仙
沖縄県島尻郡久米島町字宇江城2157

最後にご紹介するのは、泡盛「久米島の久米仙」とのベストマッチアイス。

なんと、井村屋の「BOXあずきバー」だ。

インパクトありすぎる見た目(画像はシズリーナ荒井さん提供)
インパクトありすぎる見た目(画像はシズリーナ荒井さん提供)

50ミリリットルほどの泡盛をアイスにかけるのが良いそう。

シズリーナ荒井さん:沖縄には「沖縄ぜんざい」の名店が多く、「ぜんざい」といえば、井村屋「あずきバー」。
味も香りもすっきりとした「久米仙」との相性は間違いありません。
グラスにあずきバーを入れ、泡盛を注ぐ!(画像はシズリーナ荒井さん提供)
グラスにあずきバーを入れ、泡盛を注ぐ!(画像はシズリーナ荒井さん提供)
シズリーナ荒井さん:「あずきバー」(65ミリ)の絶妙な甘みと小豆の味わいが「久米仙」との相性抜群でした!
「あずきバー」は添加物・乳製品を使用しておらず、小豆・砂糖・水あめなどをぎっしり詰めて空気の泡ができないようにすることで固く仕上がっており、あずき本来の味わいを大切にしていることが良くわかるアイスバーです。
泡盛との掛け合わせは、ベストマッチ。しっかりとしたあずきの味わいをよりスッキリと楽しめました

なお、1本あたり65ミリリットルのサイズ感がちょうどいいため、「BOXあずきバー」を選んだとのことだった。

お酒の専門家に感想を聞いてみた

絶対に間違いない組み合わせから、ちょっと意外な組み合わせまであるが、どれも見ているだけで涼しく、そして食べたくなってきてしまう!

しかし、ここで気になるのが「酒の専門家」はこの楽しみ方をどう感じるかである。「デザート」としては満足度が高そうだが、「晩酌」するにも良いのだろうか?

そこで、この焼酎・泡盛×アイスのベストマッチを、焼酎プロモーションメディア「RANBIKI(ランビキ)」編集長の河野亜樹穂さんに試してもらった。

・麦焼酎「天の刻印」×「クーリッシュ バニラ」
河野亜樹穂さん:「天の刻印」はスッキリした口当たりと麦の香ばしい甘みを味わえる麦焼酎。ストレートでは麦の優しい甘みがぐっと口の中に広がり、水割りでは麦の香ばしさを楽しめます。
クーリッシュを合わせると、麦の香ばしい甘みとバニラの甘い香りがマッチします。
麦のこうばしさとマッチ(画像はシズリーナ荒井さん提供)
麦のこうばしさとマッチ(画像はシズリーナ荒井さん提供)
・芋焼酎「黒霧島」×「アイスボックス」(グレープフルーツ味)
河野亜樹穂さん:「黒霧島」はストレートでいただくと優しいさつま芋の甘みを楽しめる芋焼酎。ロックや水割りにするとスッキリした口当たりとさつま芋のコクと旨味が楽しめます。
「黒霧島」のスッキリした口当たりとさつま芋のコクと旨味がグレープフルーツの甘酸っぱさとほろ苦い味わいに見事に調和します。
芋の旨味とグレープフルーツの風味が調和(画像はシズリーナ荒井さん提供)
芋の旨味とグレープフルーツの風味が調和(画像はシズリーナ荒井さん提供)
・米焼酎「白岳」×「アイスの実 濃い桃」
河野亜樹穂さん:「白岳」は、ふっくらとしたお米の甘みを味わえる米焼酎。ストレートではお米の甘みがぐっと引き立ち、水割りにするとキリッと引き締まった味わいになります。
ふっくらとしたお米の甘みと桃の甘みがしっかりと混ざりあうことで、桃の甘みがぐっと引き立ちます。
お米の甘みと桃の甘み(画像はシズリーナ荒井さん提供)
お米の甘みと桃の甘み(画像はシズリーナ荒井さん提供)
・黒糖焼酎「里の曙」×「サクレ レモン」
河野亜樹穂さん:「里の曙」はスッキリとした口当たりと水まんじゅうのような甘みを味わえる黒糖焼酎です。
サクレにこの「里の曙」がかかることで、氷がとけ食感が優しくなりました。一口食べると黒糖の優しい甘さが口いっぱいに広がります!
サクレのレモンの果皮を彷彿とさせるほろ苦い味わいが絶妙に調和しますね。
黒糖の甘みとシロップの甘みが合わさると、不思議なことに甘みがスッキリとします。
2種類の甘みがすっきりする(画像はシズリーナ荒井さん提供)
2種類の甘みがすっきりする(画像はシズリーナ荒井さん提供)
・泡盛「久米島の久米仙」×「BOXあずきバー」
河野亜樹穂さん:「久米島の久米仙」はとろんとした口当たりとクリーミーな旨味を味わえる泡盛です。
あずきバーのぎゅっと集まった小豆の甘みと「久米島の久米仙」の生み出すクリーミーな旨味の相性は抜群。泡盛のコクと旨味が小豆の甘みを一層引き立てます。
泡盛のコクが小豆の甘みにベストマッチ(画像はシズリーナ荒井さん提供)
泡盛のコクが小豆の甘みにベストマッチ(画像はシズリーナ荒井さん提供)

全てのレシピで、お酒の専門家からのお墨付きを獲得!アイスとお酒が、それぞれの美味しさをばっちり引き出しているようだ。

今まであまり「合う」イメージがなかった「焼酎・泡盛」×「アイス」の組み合わせだが、今回考案してもらったレシピならお酒が好きな人も、アイスが好きな人も、どっちも好きという人も楽しめそうだ。

これからの季節の「家飲み」で、ぜひ試してみてほしい!

シズリーナ荒井

アイス研究家/イートデザイナー
1歳1ヶ月からアイスを食べ続け、今までに5万個以上ものアイスを食し、今では年間4000個のアイスを研究する日本最強のアイスマニア。
アイスを素材として使用したアレンジレシピ数は500個以上保有する。

河野亜樹穂

焼酎プロモーションメディアRANBIKI編集長/焼酎唎酒師師(2021年取得)
本格焼酎を飲む「きっかけ」を届ける焼酎プロモーター。
「一人でも多くの人に本格焼酎を飲んでもらいたい」という思いから焼酎をライフワークに。
伝統を大切にしつつ、業界のトレンドもおさえる情報発信を心がけ、特に若い世代向けに本格焼酎の飲み方・食べ合わせなどの、新提案に力を入れている。
Twitter(@RANBIKI_shochu
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