このイカ、何でできてると思う? 魚を一切使わない「ヴィーガン寿司」が、思ってたよりかなり旨かった件
似せるだけでなく、別物としてもおいしく
肉巻きは甘味のある味付けが特徴的だった。味がよくしみこんでいて、白飯にもよく合いそうである。周りに巻かれた昆布が良いアクセントになったバッテラと、貝のリアルな食感が再現されたあわびも、くり返し食べたくなるおいしさ。
味も食感もバラバラなこれらの「肉巻き」「バッテラ」「あわび」には、実は同じ食材が使われている。それが、「おからこんにゃく」。青森県出身の料理研究家・岡田哲子さんが考案した食材だ。
ナタデココ、みずたまご、おからこんにゃく......そんな植物性の素材を活用して「ヴィーガン寿司」を作ってくれたのは、細谷智子さん。自社農場の大豆から豆乳などを製造するナチュラルファーマーズ(秋田県大館市)で、顧問を務めている。
細谷さんは、ヴィーガン寿司の可能性についてこう話した。
「海外から来られた外国人観光客で、ヴィーガンの方もこのお寿司なら喜んでくれると思います。写真を撮ってSNSにアップする...ということもありそうですよね」
「ヴィーガン寿司の需要は非常にコアだと思いますが、ヴィーガンの方でもお寿司を楽しめるというのはもちろん、成人病の予防や環境保全にもつながると考えています」
なお細谷さんは、おからとこんにゃく粉を配合し、まるで肉のような食感を実現した「OKミート」を開発するなど、ヴィーガンフードの可能性を探求し続けている。
「私は、ヴィーガンの食材で本物に寄せるのも良いですが、まったく別物として楽しむのも良いと思っています」(細谷さん)
ヴィーガンフードの「進化」に期待が高まる!