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タイトルは「永遠の友情」 西郷隆盛と大久保利通の「ズッ友」な像が話題→込められた思いを聞いた

松葉 純一

松葉 純一

2021.12.31 18:00
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奥二重の西郷さん、面長の大久保さん

世界的サンドアーティストの吉野弘一さんは、出水市内で店舗デザインや看板製作業を営みながら、立体造形物を手がけてきたそうで「ツルのモニュメントはずいぶん作りましたよ。最近はツルのデコイを頼まれることが多く、全国のツルの飛来地に送っています」と語る。

「砂の像の作品は、30年以上も前から作っています。香港の国際コンテストや、バンクーバーの展示会で準優勝したこともあります。
砂ではなく、シラス(火山灰)で作ってみんかと言われて、やってみたところ、シラスは砂と違って、水の吸い込みが緩やかで、固まるのに時間と手間がかかりました。シラスには相当不純物が含まれているからですかね」(吉野弘一さん)

「永遠の友情」で西郷・大久保像を制作するにあたっては、自分なりに調べてみたという。

「西郷さんが生前描かれた肖像画を見る機会がありましたが、目に特徴がありますね。奥二重の彫りの深い顔をされていました。その辺りを表現したつもりです。大久保さんはかなり面長だったようです。髭をたくわえておられたのは、欧米人と交渉されるにあたって、必要だったのでしょうか。とても責任感の強い、優秀な方だったと思います」
「大久保さんが暗殺されたとき、懐には西郷さんからの手紙を忍ばせていた、という逸話も残されています。政治的な役割の中で敵味方に別れたとはいえ、西郷さんとの友情はとても大事にされていたと思います。『永遠の友情』というタイトルは私の素直な気持です」(吉野弘一さん)
小松帯刀(竹添邸) 吉野弘一作
小松帯刀(竹添邸) 吉野弘一作

ところでシラス(火山灰)で作った像は、やはり崩れやすいのか? と聞いてみた。

「同じ出水市内の別の場所に、坂本龍馬とおりょうの像が設置されているのですが、あるとき猫が飛び乗って、おりょうさんの首がとれかかったと聞いています。ポリエステルなどでコーティングしているのですが、何か工夫が必要かもしれませんね」(吉野弘一さん)

猫に「永遠の友情」を崩される前に、出水市を訪れ、吉野さんの作品を巡りながら、じっくり散策してみるのはいかがだろう。明治維新前後の薩摩を、深く理解できるかもしれない。

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