「路上に座り込む私に、優しげな若者が『うちに泊まりなよ』。隣でボロボロの老人がそれを聞いていて...」(千葉県・40代男性)
あの時、止められていなかったら――。千葉県在住のKさん(40代男性)から、20代の時の体験談がJタウンネットに寄せられた。
当時、人間関係がうまくいかず、職場から逃げてしまったKさん。しかし親のコネで入社した会社だったことと、実家住まいという状況が重なり、彼は家に帰ることができない。
お金もなく、行くところもなかったため、東京・上野駅前で一晩過ごすことにしたという。
そのまま路上に座っていると、若い男性2人組に声をかけられた。
人の良さそうな雰囲気で、聞けば家に泊まらせてくれるという。夜の街で過ごすという恐怖と不安から解放される――彼らに頼ろうとKさんが立ち上がろうとすると、突然下から腕をグイッと掴まれた。
それは隣に座っていた、ボロボロのおじいさんの手で......。Kさんが「救われた」ある夜の出来事をご紹介しよう。
こんな優しい人もいるんだ
私は22歳くらいの時、親のコネで就職した職場に勤めていました。
そこで上司や先輩とうまくいかず、とはいえコネ入社のため辞めることも出来なかった私はとうとう逃げるという選択をしてしまいました。
まだ実家住まいだったため家に帰ることも出来ず、かといって行くあてもお金もない。そんな私は仕方なく上野の駅前で一晩過ごすことにしました。
当時の上野には怪しげな人も多く、恐怖と不安でいっぱいの状態で 道路に腰を下ろし俯いていると、20代後半くらいの人の良さそうな2人組が話しかけてきました。
「ここは危ないから今夜はうちに泊まりなよ」
「布団もあるしご飯もあるからさ」
――こんな優しい人もいるんだ!
私はそう思い笑顔で「はい、ありがとうございます」といって腰を上げようとしました。
するといつの間にか隣に座っていたボロボロの服を着お爺さんに腕をグッと掴まれたのです。
若者2人は舌打ちをして...
腕を掴んできたお爺さんは私に、
「やめときなさい」
と一言。それを聞いた2人組はチッと舌打ちをしてどこかに行ってしまいました。
あとからお爺さんに聞いたのですが、もしその時ついて行っていたら、身ぐるみ剥がされどうなっていたか分からなかったそうです。
その後3日ほど上野で生活していましたが、ずっとそのお爺さんが私の面倒をみてくれました。
私は実家に戻り自力で就職もし、今は家庭も持てています。
いつか探してお礼を言おうと思いながら、もう20年以上が経ってしまいました。
あの時は本当にお世話になりました。ありがとう。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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