「バスを降りようと財布を開くと、入っていたのは商品券だけ。恥を忍んで他の乗客に声をかけたら...」(福岡県・50代女性)
「今でもあの時の御恩は忘れられません」
福岡県在住のJタウンネット読者・Eさん(50代女性)がそんな体験をしたのは、バス車内でのことだった。
当時、長崎市に住んでいたEさん一家。実家に行くために、3人の幼い息子たちを連れてバス乗車した。
やがて降りる停留所が近づいたので運賃を用意しようと財布を開いたところで――なんと現金が入っていないことに気が付いた。
このままでは、運賃が支払えない。
困ったEさんは、思い切って後ろを振り返ったという。
あるのは1000円分の商品券だけ
あれは、我が家の3兄弟がまだ6才、4才、0才だった頃、長崎市に住んでいた時の話です。
私は実家に行く準備をバタバタと済ませ、3人の子供を引き連れてバスに乗りました。時刻は午後2時か3時ぐらいで、乗客の方は中年の女性ばかりが20人ほどいたと思います。
そして、降りる予定のバス停の3つ前ぐらいに来たところで料金を用意しようとした私は青ざめました。なんと、財布の中に現金が入っていなかったのです。
辛うじて入っていたのは、デパートで使える1000円分の商品券が1枚だけ。もちろん、これではバスの料金は払えません。
車内前方の席で赤ちゃんを抱きかかえて座っていた私は恥ずかしさを捨て、思いきって立ち上がって後ろを振り向き、
「ここに1000円分の商品券があります。どなたか現金に換えて頂けないでしょうか?」
とお願いしました。
小銭を渡してくれる人もいて...
私の必死の表情に、乗客の皆さんは驚いた様子でした。それでも皆さんはお財布を取り出して探してくださり、「あら、1000円分はないわ」などと声があがりました。
やがて、その中のお一人が「あったよ」と申し出てくれて現金に換えてくださいました。
その後も、
「商品券はいらないから使って」
と小銭を持たせてくださった方までいらっしゃいました。さすがに「お気持ちだけ頂きます。有難うございます」と辞退しましたが、とにかくあまりに親切な方ばかりで私は泣きそうになりました。
今でもあの時の御恩は忘れられません。本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
自分で思っていたほど現金を持っていなかった――そんな状況は「あるある」かもしれない。しかしそれが後払いのバスの中となると、結構肝が冷える状況だ。
そんな彼女を助けてくれようとした乗客たちのように、皆さんにもピンチの時に快く手を貸してくれた人はいるだろうか。
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