「満員電車でウトウトし、床に座り込む幼い娘。そばで見ていた見知らぬ男性が、彼女を急に抱き上げて...」(三重県・40代女性)
幼い子供を連れて、満員電車に乗る――。
親にとって、緊張のシチュエーションだろう。混雑した車内で、子供がぐずりはじめてしまわないか、迷惑をかけてしまわないか、など心配は尽きない。
三重県に住む40代の女性読者・WさんからJタウンネット編集部に送られてきたのは、子連れで満員電車に乗ったときのこんなエピソードだ。
小学4年生の息子と、年長の娘を連れ、電車で県外へと出かけたWさん。しかし、思っていたよりも遅くなり、帰りは満員電車に乗ることに。
遊び疲れた子供たちは、眠たそう。ついに娘は我慢ができず、ウトウトとしながら床に座りこんでしまったのだという。しかし、誰かに「席を代わってほしい」ともなかなか言い出せない。
そんなとき、突然見知らぬ白髪混じりの男性が娘を抱き上げて......。Wさんと、その子供たちの未来にも大きな影響を与えたという満員電車での出来事をご紹介しよう。
混みあって車内で眠たそうな子どもたち
息子が小学4年生、娘が年長の頃、子供2人を連れて電車で隣の県へ遊びに出かけた時のことです。
色々と重なったことにより、思ったより遅くなってしまい、帰りの電車は満員に近い状態で座れる席はありませんでした。
電車の揺れもあってか子供達は眠たそう。息子は我慢してくれていましたが、まだ小さな娘は眠気に勝てず床に座り込んでウトウト......。
混みあった車内、息子も私にもたれかかっていたので娘を抱っこすることも出来ませんでした。
そんな中、優先席に座っているサラリーマン達は、目が合っても見て見ぬふり。「代わって欲しい」とも言えず、困り果てていました。
そんなとき、キャリーケースを持ち、ドア付近に立っていた突然白髪混じりの男性が、いきなり娘を抱き上げたのです。
「駅に着くまでここに......」
「駅に着くまでここに座ってなさい」
その人はそう言って、娘を自分のキャリーケースの上に座らせてくれました。
そして、電車の揺れでキャリーケースが動かないようにご自身の身体で支えながら、眠気を必死に耐えている息子にも寝てしまわないように
「どこに行ってきたの?」
「学校ではどんなお勉強をしているの?」
とずっと話しかけてくれました。私にも「1人で連れて大変だね」と声をかけてくださいました。
1時間ほど経った頃、少し寝てスッキリしたのか娘が起きました。男性は、私たちが降りる1つ前の駅で降りていきました。
降りる際にお礼は言えましたが、言葉だけでは足りないくらいの感謝で目頭が熱くなりました。
その時だけでなく、その後の子供達にも
本当に「紳士」という言葉がピッタリの男性でした。
息子が6年生になった今でも、電車に乗ると毎回あの時の男性への感謝の気持ちがよみがえり、困っている人を見かけると自然と恩返しのように手を貸せるようになりました。
それを見ていた子供達も困っている人を見つけるとすぐに席を譲るようになりました。
その時だけでなく、その後の子供達にも素敵な影響を与えて下さった紳士様。
本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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