「最後の乗客になった私に、路線バスの運転手が『後ろにおいで』。運転席のすぐそばに呼ばれて...」(北海道・50代女性)
2021.11.28 11:00
突然思い立ち、岡山へ
もう 30年近くも前の事です。
結婚が決まって退職し、少し自分の時間が出来た私は、急に京都への一人旅を思い立ちました。何の計画も持たず、その日の気分で行く先を決めるという気ままで呑気な楽しい毎日でした。
京都での3日目の朝。
突然の思いつきで、私は新幹線で岡山に向かい、好きだった竹久夢二の美術館へ。
そこで、夢二の生家が現存し、公開されていることを知り、路線バスを調べて乗り込みました。
数名の乗客がいましたが、市街地を離れるに従い、だんだんと減っていき、やがて私1人に。
すると運転手さんから、
「お客さん、後ろにおいで」
と声がかかり、運転席のすぐ後ろの席に案内されました。