「真冬の荒れた海のそばに、独りで泊まる若い女。『訳アリ』を察した民宿の従業員が...」(神奈川県・50代女性)
2021.11.07 08:00
「よかったらおじさんたちのダンス見る?」
その晩、民宿で私に出されたのは、一人では食べきれないほどの海の幸が並んだ豪華な夕食。
「隣のテーブルの2倍くらい量があるような......」と私が驚いていると、頼んでもいない大瓶のビールが手元にどん、と置かれました。
「サービス。わけありなんだろ?」
驚いて顔をあげる私に女将さんらしき人がそう言って、コポコポとグラスにビールを注いでくれました。
「何だか映画みたい!」と困惑していると、今度は板前さんらしき方々が現れ、
「ね、ダンス好き? よかったらおじさんたちのダンス見る?」
とおどけて見せるなど、とにかくものすごいサービスです。民宿の方々は、どうやら私が何ごとか思いつめているかのように見えていたんだと思います。