「バスで泣く幼い私の肩を、後ろの男がトントン叩いた。助けてくれると思ったら、信じられない展開に...」(東京都・50代男性)
2021.11.03 11:00
助けてもらえる――そう思った瞬間に...
私が7歳か8歳くらいの頃、大都会の祖父母の家に、初めて一人でお出かけしたことがあります。まるで冒険するような気分でした。
最寄り駅まで母に送ってもらい、当時の特別快速に乗り込み、2つ目の駅へ。そして見覚えのある駅の改札を出て、循環バスに乗り込みました。
ところが、窓から見えるのは全く見覚えのない景色......違うバスに乗ってしまったことに気が付いたときには、動転してしまい、不安で不安でガタガタ震えだしてしまいました。
涙も止まらず、どうしたら良いかわからなくて、車内で声を出さないのが精いっぱい。
そのときです。後ろから、トントンと私の肩を叩く男性が。振り返った私は涙で顔がぐしゃぐしゃだったと思います。
ああ、よかった......助けてくれる。そう思った瞬間、その男性が言い放ちました。
「あなた、そこの席どきなさい。この人が座るから」