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「初めて一人で行った祖母の墓参り。連れてきてくれたタクシー運転手のおじさんが、霊園の中まで...」(30代女性)

福田 週人

福田 週人

2021.10.18 08:00
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「未熟者だった私をお許しください」

海外在住の読者・Kさん(仮名、30代女性)から、編集部に1通のメールが届いた。

彼女には、忘れられない人が居る。10年ほど前に出会った、タクシー運転手の男性だ。

それは、春の彼岸の頃だった。祖母の命日が近かったこともあり、Kさんはふと思い立って一人で墓参りに行くことにした。

祖母の墓参りに行って......(画像はイメージ)
祖母の墓参りに行こうとして......(画像はイメージ)

墓があるのは埼玉県の霊園。都内に住んでいた彼女は電車に乗って、大宮駅に向かった。

しかし、これまで一人で墓参りに行ったことのなかった彼女は、霊園の場所も、お墓の位置も、正確には覚えていなくて......。

「この辺、霊園はいくつもあるからねえ」

10年ほど前、季節は春のお彼岸の頃です。当時都内で実家暮らしをしていた私はまだ駆け出しの美容師アシスタントで、仕事がうまく行かず、毎日を悶々と過ごしていました。

また、大好きだった父方の祖母の命日も3月なのですが、そのころは多忙でお墓参りに行けていないことも、心に引っかかっていました。

ある休日の朝。急に思い立って「良し!今から行こう!」と母にも告げず出かけることに。大宮駅に降り立ち、祖母の好きだったユリの花束を購入しました。

ユリの花束を手に(画像はイメージ)
ユリの花束を手に(画像はイメージ)

タクシーに乗り込むと、運転手さんはメガネをかけた50代くらいの中肉中背なおじさんでした。私が霊園まで行きたいと伝えると、

「どこの霊園? この辺、霊園はいくつもあるからねえ」

と、運転手さん。当時はガラケーだったこともあり、すぐに調べることもできず母に電話して聞きました。普段こんな突拍子もないことをする娘ではなかったので、すごく驚かれました。

母に霊園の名前を教えてもらい、お彼岸の渋滞に巻き込まれながらもなんとか到着。

しかし、祖母の墓参りはいつも親についていくばかりで記憶も曖昧だったため、霊園に着いても今度は肝心の墓石の場所がわからなかったのです。

「あなたいいお嬢さんだよ」

墓の場所が分からず......(画像はイメージ)
墓の場所が分からず......(画像はイメージ)

すると、私を霊園まで乗せてくれたタクシーの運転手のおじさんが、

「一緒に探しましょう!」

と言って、なんと一緒に探し始めてくれたんです。そのうえ、申し訳なさで泣きそうな私を、

「うちの家族もね、ここの霊園なんですよ。よく散歩にも来るし、他人事に思えなくてね。あなたいいお嬢さんだよ、ひとりで墓参りなんてさあ」

と、励ましてくれました。そうして2人で探していると、しばらくして、

「あったー! ありましたよ、○〇家!」

と、運転手さんが祖母のお墓を見つけ出してくださったのです。

運転手はユリの硬い茎を折って...

ようやく見つけたお墓を一通り掃除して、いざお花を、と思ったら、買ってきた花はお墓の花瓶に入れるにはどうにも長過ぎました。

すると、またまた運転手さんが、

「あ、おじさんやったげるよ」

と、硬い茎を折って両方の花瓶に入れてくださったうえ、おじさんも一緒に手を合わせて祖母のお墓参りをしてくれました。それがとても嬉しかったです。

運転手さんが親切にしてくれて......(画像はイメージ)
運転手さんが親切にしてくれて......(画像はイメージ)

その後、「帰りは、バスの最終便はあるけどどうします?」と運転手さんに聞かれた私は、迷わず「駅までお願いします!」とタクシーを選択。

「高くなっちゃうけど、ごめんねえ」

なんて、おじさんは申し訳なさそうに言っていましたが、私はそれ以上の事をしていただいたと思います。

今なら名前とタクシー会社を控えて後からお礼をさせていただくのが当然のことですが、当時の私はできませんでした。未熟者だった私をお許しください。

今は結婚して海外に移住し、コロナ禍でなかなか帰国できない身ではありますが、今でもたまにこうして想いを馳せています。

おじさん、変わらずお元気かなぁ。あのときは、本当に本当に、ありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

お墓探しを手伝ってくれただけでなく、一緒にお参りまでしてくれた運転手さん。彼がいなければ、Kさんは無事に祖母のお墓参りを終えることが出来なかったかもしれない。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。もし、Kさんのように親切な人との出会いなどがあったという人は、ぜひその時の話を聞かせてほしい。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)

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