「自転車での旅の途中、急に足から力が抜けた。フラフラになりながら見つけた店に入ったら...」(青森県・40代男性)
急に力が入らなくなり...
私が高校生だった30年ほど前、友人と3人で北海道を自転車で走る旅に出ました。
「ボロボロになろうねツアー」と名付けた、八戸港からフェリーに乗り苫小牧へ行き、函館まで走ったあと青森に戻る、というものです。
その頃は携帯もインターネットもなく、地図だけを頼りにした文字通り行き当たりばったりの行程でした。
体力には誰よりも自信があった私は常に先頭を走っていたのですが、ある日のこと、ペダルを踏む足に急に力が入らなくなり、後から来た二人に追い越されてしまったのです。
二人の背中を追いかけようとしても全く足に力が入らず、咄嗟に「何か食べないと」と思うようになりました。いわゆるハンガーノック(長時間にわたる激しい運動によって極度の低血糖になり、体が動かなくなる)状態です。
その後、やっとの思いで見つけたのは、とある木造の小さな商店。先行していた友人2人も戻ってきてくれて、私はふらふらになりながらその店で食べ物を探しました。
すると、中から出てきた店のお母さんが声をかけてきたんです。