「自転車での旅の途中、急に足から力が抜けた。フラフラになりながら見つけた店に入ったら...」(青森県・40代男性)
「若気の至り」という言葉もあるように、若いころ――たとえば高校時代は無茶なことをしてしまっていた、という人も多いのではないか。
その結果、痛い思いや苦い経験もしたかもしれない。一方で、忘れられない優しい出会いがあった、という人も居るのでは?
青森県の読者・Gさん(40代男性)が、Jタウンネット編集部にそんな思い出を寄せてくれた。
30年ほど前、友人2人と一緒に旅に出た時のエピソードだ。
地元・青森からフェリーに乗って、北海道にやってきた彼ら。その後の交通手段は、自転車だ。
体力には自信があったGさんだったが、道中いきなりペダルを漕ぐ足が動かなくなってしまい......。
急に力が入らなくなり...
私が高校生だった30年ほど前、友人と3人で北海道を自転車で走る旅に出ました。
「ボロボロになろうねツアー」と名付けた、八戸港からフェリーに乗り苫小牧へ行き、函館まで走ったあと青森に戻る、というものです。
その頃は携帯もインターネットもなく、地図だけを頼りにした文字通り行き当たりばったりの行程でした。
体力には誰よりも自信があった私は常に先頭を走っていたのですが、ある日のこと、ペダルを踏む足に急に力が入らなくなり、後から来た二人に追い越されてしまったのです。
二人の背中を追いかけようとしても全く足に力が入らず、咄嗟に「何か食べないと」と思うようになりました。いわゆるハンガーノック(長時間にわたる激しい運動によって極度の低血糖になり、体が動かなくなる)状態です。
その後、やっとの思いで見つけたのは、とある木造の小さな商店。先行していた友人2人も戻ってきてくれて、私はふらふらになりながらその店で食べ物を探しました。
すると、中から出てきた店のお母さんが声をかけてきたんです。
「おにぎり作ってあげようか?」
私が事情を話すと、お母さんは、
「おにぎり作ってあげようか?」
と言ってくれました。しかも100円で作ってくれるというのです。
私はありがたくおにぎりをいただくことにし、店の外にあるベンチに座って食べようとしました。
すると、ベンチの後ろの窓がガラッと開き、
「これもどうぞ」
と言って、お母さんが焼いたサンマを、それも私たち3人に1匹ずつ差し出してくれました。
商店の名前と場所はおぼろげながら覚えているのですが、ストリートビューでも見つけられず、大人になった今でもお礼を言いに行けていません。
当時は人との接し方もまだよくわかっていない高校生だった私たちに、人として優しくしてくれた彼女からのご恩は絶対忘れません。
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
お腹を空かせた見ず知らずの高校生たちに、快くご飯を作ってくれた女性。彼女がいなければ、Gさんたちの旅はもっと過酷なものになっていただろう。
皆さんも、旅行先で素敵な出来事や人に巡り合ったことはあるだろうか。
Jタウンネットでは、読者の皆様のそんな「旅先でのほっこりエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにほっこりしたのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。