「走れども走れども、民家一軒見当たらない。薄暗い夕方、家から遠く離れた路上で娘と...」(茨城県・50代女性)
車での旅行中、注意したいのがガソリンの残量だ。
うっかり補充するのを忘れたまま走り回ってしまったら、慣れない場所でガソリンスタンドを探さなければならない。
肝心のスタンドが近くに無ければ悲惨だ。家から遠く離れた道路で立ち往生なんてことになりかねない。
コロナ禍でなかなか旅行に行けない今、Jタウンネットでは、かつての旅先で経験した「いい話」を募集している。今回ご紹介するのは、茨城県の50代女性・N子さん(仮名)から寄せられた、そんなエピソード。
娘と二人で車中泊の旅をしていたN子さん。しかし、ガソリンを補充するのを忘れていて、車がガス欠寸前に。
困ったことに、周囲にはガソリンスタンドはおろか、民家の一軒も見当たらず......。
「あの夏の出来事が娘の夢につながった」
「2年前の夏、娘と二人で初めての車中泊の旅をしに岐阜に行ったときのことです。
旅行の最大の楽しみだった白川郷を散策し、次の目的地に向かう途中、車がハイブリッドなのを過信しすぎていたこともあって、気付けばガソリンの残量がわずかになっていました」(N子さん)
天気も悪く薄暗い夕方だった。「国道ならガソリンスタンドは何か所もあるだろう」と思い、彼女は国道を走行することに。
「しかし、5キロ、10キロ、15キロと走っても峠が続き、ガソリンスタンドどころか家一軒もなく、すれ違う車も一台もありません。
そのうち、いよいよ車がガス欠寸前になっていました」(N子さん)
困り果てたN子さんたちは、一か八かで岐阜県警に連絡を取った。すると......。
「事情を説明して、現在地から一番近いガソリンスタンドを確認してもらいました。
実は管轄の全く違う警察署に電話していたのに、『大丈夫です』と安心させてくれました。
その上、5時で閉店のガソリンスタンドに連絡してくれて、開けて待っててくれるように話してくれました」(N子さん)
幸い峠は下りに入っていたので、N子さんたちはどうにかギリギリの状態でそのガソリンスタンドに滑り込めた。時間は5時半を過ぎていたが、無事に給油ができたそうだ。
「笑えない思い出になりましたが、あの時の警察署の方々の優しさはいまだにわすれられません。
あれから、人のために役に立ちたいと、娘は今年警察官になりました。あの夏の出来事が娘の夢につながったことも、感謝したいです。
また岐阜に行った時は、あの時のガソリンスタンドにも余裕を持って寄りたいと思います。コロナ禍で、大変だと思いますが、お世話になった警察署の方々のご健康を切に願います。ありがとうございました」(N子さん)
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「旅先のほっこりエピソード」を募集したい。
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