「入試で失敗した私を、あざ笑うかのように雨が降る。傘もなく濡れていると、その大学の学生が話しかけてきて...」(福岡県・30代女性)
かつて大学受験を経験した人は、本命の大学を受験した日のことは特に記憶に残っているのではないだろうか。
どうしても緊張してしまったり、思わぬハプニングに遭遇してしまったり。周りはみんなライバルで、頼れる人もいない状況だ。
Jタウンネットが、皆さんの思い出に残っている「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したところ、福岡県在住のH田さん(仮名、30代女性)からそんな受験の時の甘ずっぱいエピソードが届いた。
本命の大学の入試。しかし、英語の試験であまりうまくいかなかった。
「ダメかもしれない」
落ち込みながら会場から出ると、雨が降ってきてしまった。
傘を持ってきていなかった彼女は、濡れて帰るはめに。
まさに泣きっ面に蜂。そんな状況の中、憧れの大学に通う一人の男子学生が、声をかけてきたという。
試験結果をあざ笑うような雨が...
今も心に残る、お礼を言いたい方がいます。もしかしたら彼の目に触れるかもと思い、投稿させて頂きます。
2010年、当時高校3年だった私は、地元の佐賀から福岡にある私立大学を受験しました。
その日は本命の英語学科の試験日で、共に受験する友人はおらず、会場で1人過ごしていました。
試験が終わってみると、肝心の英語の出来が良くなく、ダメかもしれない...と肩を落として帰ろうとした折、雨が降り出しました。
天気予報では雨と言っていたようで、周りは折り畳み傘を広げたり、友人と相合い傘で帰ったりする人ばかり。傘を持たないのは、見渡しても私くらいでした。
「まるで試験結果を笑われているみたい」
泣きそうになりながら、人混みの中、他の人が差している傘から垂れるしずくに濡れて帰っていました。
出口では、その大学の学生が何人か並び、労いの言葉を受験生にかけていました。
すると、1人の男子大学生が、雨に濡れている私を見るなり自分の傘を差し出してくれたのです。
うろたえる私に、「受験生が風邪を引いたら大変だから」と笑顔で傘をくださったのに、お礼もまともに言えないまま人混みに流されてしまいました。
合格したら、見つけ出してお礼を...
振り返ると彼は、友人たちにからかわれているようでした。
申し訳なさとあたたかさ、お礼を言えなかった後悔でいっぱいで、この大学に入ったら彼を見つけ出してお礼を言おうと心に誓ったのですが、私はその大学には結局合格できず、二度と会えませんでした。
大切な思い出として、今も大事に心にしまっています。
あのとき傘を貸してくれたお兄さん、本当にありがとうございました。
結局、返すどころかお礼も言えないままでごめんなさい。あなたの事は、一生忘れません。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集したい。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)