「温泉でのぼせてしまい、動けない状態に。裸のまま床に寝かされた私のそばに、1人の女性客が近づいてきて...」(神奈川県・40代女性)
旅行の楽しみと言えば色々あるが、中でも温泉は鉄板だろう。観光で歩き回って疲れた体を癒すには持ってこいな気がする。
しかし、温泉に入ることでさらに疲れてしまい、体調が悪化することも。
お風呂から上がって脱衣所に来たら、急に眩暈が――そんな経験がある人もいるだろう。
コロナ禍でなかなか旅行に行けない今、かつての楽しい思い出を振り返ろうとJタウンネットが「旅先でのいい話」を募集したところ、神奈川県の40代女性T子さん(仮名)から、まさにそんなエピソードが寄せられた。
出先での急な体調不良。心細いことこの上ないが、そんなT子さんをさりげなく助けてくれた人が居たという。
それは2019年のゴールデンウィーク中の出来事。
日光東照宮を観光した帰りにT子さんが立ち寄った、とある日帰り温泉での「あたたまる」出来事だ。
「私が立てるようになるまでずっと付き添ってくれました」
「その日は日光東照宮を観光したのですが、生憎の雨でGWにしては寒い日でした。人出もすごくてどこを観るのにも行列に並ばねばならず、帰る頃には身体が芯から冷えてしまい、日帰り温泉で温まることにしました」(T子さん)
冷えた体を温泉で温めたT子さん。しかし、その直後に彼女に悲劇が。
「いつもと比べて長風呂したわけではないのですが、冷えていたからなのか、疲れていたからなのか、温泉から上がったら立ち眩みとどうしようもない気持ち悪さを覚えました。
たまたま脱衣所にいた係の人に水をもらうのが精一杯の状態に。ついには座り込んだまま動けなくなり、救急車を呼ばないといけないかと思うほどの辛さでした」(T子さん)
係の人に脱衣所の床に寝かせられ、通行人にも注目され、恥ずかしいやら心細いやら。
すると、そんな彼女のもとに1人の女性客がやってきて......。
「私の脇や首を冷たいタオルで冷やしてくれ、ずっと声掛けしながら看病してくれました。側にいてずっと見ててくれたのでとても心強く、また恥ずかしさも軽減されました。
時間にして30分程だったと思いますが、彼女もせっかく温泉にリラックスしにいらしていただろうに、私がなんとか立てるようになるまでずっと付き添ってくれました」(T子さん)
起き上がれるようになったT子さんがお礼を述べると、その女性はすぐに脱衣所を出ていってしまった。その後、再び戻ってきてT子さんにスポーツドリンクを渡したと思ったら、またすぐに去ってしまったそうだ。
「私はまだ裸だったので、すぐ娘にお願いして、『彼女にお礼をしてあげて』とロビーにいた主人に伝えてもらいました。ですが、結局主人はお礼を言えただけで、彼女の連絡先も聞けずじまいで、そのことがすごく心残りです。
どなたか分かったらちゃんとお礼を言いたいと思いつつ、SNS等をやっていないので手段が分からなかったので、こうして投稿させていただきました」(T子さん)
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
コロナ禍で旅行に行きづらい今、せめて過去の旅行の素敵な思い出を振り返りたいという人も多いだろう。
そこでJタウンネットでは読者の皆様の「旅先のほっこりエピソード」を募集したい。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにほっこりしたのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。