「列車で泣いていると、隣の男性が元気づけてくれた。感謝していたのに、別れ際にひどいことを...」(新潟県・60代女性)
見ず知らずの人に助けてもらった、親切にしてもらった――。
どこの誰かもわからないけど、「ありがとう」と伝えたい。Jタウンネットでは、皆さんからのそんな投稿を紹介してきた。
だが一方で、今でもずっと後悔している、今さらかもしれないけれど謝りたい......そんな思いを抱えてしまうことも、長い人生の中ではあるかもしれない。
新潟県の60代女性・N美さん(仮名)から編集部宛に、「ずっとこころに引っかかっていることがある」というメールが届いた。
それは、20年近く前。京都から金沢へ向かう特急列車の中での出来事。
そこで出会った一人の男性に、N美さんは「ごめんなさい」と伝えたいという。
本当はとてもありがたかったのに...
「同級会の帰り、何やら思い出深く、つい涙ぐんでシートに深くもたれていた私の横に、同年代の男性が途中から乗車されました。
彼は私のそんな気配を察してか、静かに過ごしておられて。それから私がやや回復した頃に優しく話しかけて下さり、楽しい気分になるような話をしてくださいました」
その男性は出張帰りで、N美さんとは会話が弾んだところでお別れに。
別れ際、男性は棚にあったN美さんの荷物を降ろしてくれた。そのさりげない気遣いや楽しい時間が過ごせたことに、感謝を伝えようとしたのだが......。
「私の口をついて出た言葉は『よい時間潰しができました』......自分でも何であんな言葉が出てきたのか信じられません。その方もボソッと『暇潰しですか...』、と」
もしかしたら、「時間潰し」という表現では「他にすることもなかったし、退屈しのぎにはなった」というようなニュアンスで伝わってしまったのかもしれない。
そして、楽しかった時間は、すっかり気まずい雰囲気で終わりを迎えてしまったという。
20年ほどたった今も、N美さんはその時のことが気にかかっているそう。
「名前さえ分からない方にお詫びのしようも無く、本当に申し訳ない気持ちを抱えていました。
その男性がこの投稿を見て下さる確率は無いに等しいのでしょうが、この場をお借りして、かの日のお詫びを申し上げたいと思いました。
本当はとても有難かったのです」
誰かに伝えたい「あのときはごめんなさい」、ありませんか?
身近な家族や友達はもちろん、今はもう会うことのない疎遠になった知人、偶然出くわした見知らぬ人......そんな相手との、心の「しこり」のような思い出が誰にも1つや2つはあるものだ。
そこでJタウンネットでは、読者の皆様の「『ごめんなさい』と伝えたいエピソード」「今さらかもしれないけれど懺悔したいこと」を募集したい。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(相手にどんなことをしてしまったのか、どんなことを謝りたいのかなど、500字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※なお本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)