まるで絵本の中の出来事だ... ポストに届いた本物の「葉書」が話題に→差出人に話を聞いた
大変だったのは「多羅葉」の葉の入手
葉っぱを葉書として送るという今回の実験には、いろいろと大変なことがあったという。北村さんは
「まず、多羅葉の葉を入手することが大変でした」
と話す。
「インターネットで、神社に生えていることが多いとの情報が書かれていたので、キャンパス付近の寺院を探しましたが、見当たりませんでした。また、周辺の植木屋さんにも問い合わせたのですが、販売していませんでした。 そのため、ひとまずメルカリで購入し、実験用として使用しました。その後問い合わせた所の知り合いの方が多羅葉の木を保有しているとの連絡をいただくことができました」(北村さん)
実験を行って印象的だったのは、石川教授のように多羅葉の葉を受け取った人たちから「嬉しい」というコメントがあったこと。
「授業内で数回プロジェクトについての発表をしたのですが、回を重ねるごとに受講生や先生方の多くがこのプロジェクトのことを楽しみにしてくださっていて、自分も葉書を送りたいとの声がとても多くありました」(北村さん)
今回の実験についてはインターネットで調べ、すでに送ったことがある人の経験談を参考に、葉っぱに切手を貼ってポストに投函。しかし、今回送った葉が郵便局指定の最小サイズが14センチ×9センチ以下であり、この方法ではダメだったということを、送付後にツイッターのコメントを見て知ったという。
「郵便局の便宜で届けてくださったことが分かり、感謝の気持ちと、気づかずに送ったことを申し訳なく思っております」(北村さん)
今後は問題なく送れるよう、様々な工夫を検討しているそうだ。
実験の結果として、正しい送り方や、葉を長持ちさせる加工方法がわかった。プロジェクトの今後としては、
「私たちだけではなく、他の人たちも出せるように葉を集めつつ、木を育てる準備をしていきます。
また、学校内にポストを作って学生がいつでも手紙を送ることができるようにしたり、木の周りに手紙を飾る押し花を作るための花を植える『フワラープロジェクト』のイベントを開催しようと考えています。
そしてこのような活動を続けることで、地域の方とのコミュニティを作っていくことができたらと思っています」
と北村さん。
石川教授に「たらようの葉書」が届いたというツイートには、18日夕時点で10万を超えるいいねが寄せられるなど大きな話題となっている。こういった反響については
「私たち自身も最初は葉っぱに文字が書けること、そしてそれを実際に送れることを発見した時には大変驚きました。しかし、ここまで多くの方からの反響があるとは予想外でした。
多様な方々からの多くのコメントを拝見し、新たなアイデアを得ることができたり、改善すべき点を発見したりしました。
何より、多くの人が興味を持つということがわかり、企画の実施に対してのモチベーションがより一層増しました」
とコメントした。