デジタル空間でカープ開幕戦! コロナ禍だからこそ...広島県が挑む「つながり」を生む仕掛け
2021.05.07 17:00
提供元:広島県
広島スポーツのファン同士をつなぎたい
バーチャルワールド広島のコンセプトは、広島のプロスポーツ――カープ、サンフレッチェ、ドラゴンフライズを応援することにある。それぞれのルームを設けたのもそのためだ。佐藤さんは「3チーム間のファン同士のつながりをもっと生み出したい、という思いがありました」と打ち明ける。
「意外と、野球ファンは野球だけを、サッカーのサポーターはサッカーだけを、バスケのブースターはバスケだけを応援する――そういう人が多い気がしていました。
私自身は、スポーツはなんでも好き。どのチームも応援してほしいですし、それぞれのファンが交わる場があったらいいな、と。そのアイデアが『バーチャルワールド広島』のベースです」(佐藤さん)
ファン同士の交流の場をデジタル空間につくる――。システム開発では、アバターの「動き」の見せ方に苦労した。ワールド内でアバターが動く姿を、他のユーザーも見ることができるのは、技術的に難しいのだという。
「アバターの動きをなめらかにしようとすると、システムに負荷をかけ、場合によってはサーバーがダウンするなど影響が出てしまいます。そうならないよう、動き方を調整するのですが、やりすぎると違和感が出る。
見た目の動きもよく、システムに影響しないようバランスをとるのは、トライ&エラーの連続でした」(佐藤さん)
つづけて、佐藤さんは「ハード面の整備はもちろん、ワールド内で展開するコンテンツ企画など、さまざまなことを同時並行で進めました」と振り返る。
問題が持ち上がれば、関係者一同、砂場をつくっては崩すように、スピーディーに地道にことを進める。
そうして、21年2月末のグランドオープンを迎えたのだった。