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これぞ究極の「幻の魚」 今の時期しか見られない、真っ赤に染まった「イトウ」の姿に反響

松葉 純一

松葉 純一

2021.05.03 11:00
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自然光で見る赤いイトウはとても美しい

赤くないイトウはこんな感じ(Wikipedia commonsより、Tottiさん撮影)
赤くないイトウはこんな感じ(Wikipedia commons、Tottiさん撮影)

Jタウンネット記者の取材に、山内館長は電話でこう答えた。

「今年は、館内のイトウの大水槽だけでなく、屋外の『四季の水槽』でもペアで展示をしています。太陽の下で、自然光で見る赤いイトウは、とても美しいです! この赤色の婚姻色イトウが見られるのは当館だけです」

イトウは日本原産のサケの仲間の中で唯一春に繁殖期を迎え、オスは頭部より後ろが赤色の婚姻色になるのだという。「もしかしたらもしかして四季の水槽で繁殖行動を見ることができるかもしれません。我々も楽しみです!」と、山内館長の期待も高まる。

北の大地の水族館(山の水族館)(@onneyu_aqua)のツイートより
北の大地の水族館(山の水族館)(@onneyu_aqua)のツイートより

イトウについての、山内館長の解説を整理しておこう。

・赤い婚姻色を呈するのはオス
・メスは川で見えにくい薄く暗い紫になる
・地域や個体によって婚姻色の出方が少しずつ違う
・日本最大級の淡水魚(最大1.5メートル、30キロ)
・日本では北海道のみに生息
・絶滅危惧ⅠB類
・沿岸部から川の上流までを利用する
・地域ごとに遺伝的違いがある

同館が21日に発表したプレスリリースによると、赤いイトウの展示は2年ぶり。昨年は新型コロナウイルスの影響で断念せざるを得なかったという。

また、

「婚姻色で赤くなったイトウは雪解けとともに上流へと移動して繁殖を行いますが、その姿は普通険しい山中の細流でしか見られず、人目に触れることはめったにありません。また、水族館などの飼育下では婚姻色がほぼ出ません」

とも説明されている。

赤いイトウを見ることができるとは、いかに貴重なことか、ひしひしと伝わってくるだろう。ただでさえ「幻の魚」であるイトウの、非常に珍しい姿というわけだ。

展示協力は、「朱鞠内湖淡水漁業協同組合」で、増殖用親魚池で飼育されている天然イトウのなかでも、「特に婚姻色がよく発現した個体」を借りているそうだ。

この赤いイトウの展示は、5月9日までの期間限定。「来年以降も同じ時期に展示したい」と、山内館長は語った。

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