「白身魚の王様」を大満喫! 座布団級の「巨大ヒラメ」を味わいに、冬の平戸に行ってきた
「平戸を感じながらヒラメを味わって」
いろんな食べ方でヒラメを満喫したところで、改めて気になるのが「ひらめまつり」とは何なのか、ということだ。いったいどうして、この祭りが開催されるようになったのだろう。
その詳細を知るべく、筆者は平戸観光協会を訪れた。
「とある理事さんが発案されて、観光協会と漁協がタイアップする形で1996年からこの『ひらめまつり』がはじまりました。平戸はヒラメの漁獲量が多いので、それをうまく活用して地域おこしになれば、との思いでした」
「ひらめまつり」が始まった経緯について、こう説明するのは、25年前のひらめまつりスタート時から企画に携わっている墨谷道子さん(59)。
開始当初は、宿泊施設が対象だったが、2003年から飲食店にも拡大したという。
というのも、高級魚のヒラメは元々、県外に出荷されることが多く、平戸市内ではほとんど食べられていなかったからだ。
「ひらめまつりをやっているのに、市民が平戸のヒラメを知らないということではいけない、ということになりました。
そこで、地元の飲食店にオリジナルメニューを作ってもらい、市民も気軽に食べられるようにしたんです。
まずは地元民に知ってもらい、認知度を広めるというねらいがありました」(墨谷さん)
その結果、ひらめまつりの時期になると地元民もよく「平戸のヒラメ」を食べるようになったそう。
また、他県民でも「この時期になるとひらめまつりのことを思い出す」という人もいて、リピーターとして参加する場合もあるという。
今年は県内からの参加者が主で、団体ツアーなども企画されなかったが、例年であれば全国各地から宿泊もかねてひらめまつりを目当てにしたお客が訪れる。
参加店舗や施設は、毎年少しずつ入れ替わっているものの、それぞれお気に入りの店があるリピーターも多いそうだ。
現地以外でも平戸のヒラメを食べられる場所もあるが、
「ぜひ平戸のひらめまつりで食べてほしい」
と強調する墨谷さん。その理由として、
「まずはお手頃な価格で、刺身からしゃぶしゃぶ、ピザ、フライ、といった様々な楽しみ方ができることです。店舗によってはこの期間限定メニューだったり、期間外は値段が上がったりすることもありますから。 そしてもう一つ、やはりこの土地の雰囲気と合わせて食べていただきたい、という思いがあります。平戸の海や、異国情緒あふれる街並みや、風、そういったものを感じながらだと、ヒラメもよりおいしく感じていただけるのではないか、と考えております」
と話していた。
普段は遠い存在の高級魚・ヒラメを目いっぱい堪能できるこんな機会、他にはない。
「絶対にまた来よう」――。そう心に誓い、爽やかな風が吹く平戸を後にする筆者だった。
ところで、平戸は「ヒラメ天国」であるだけでなく、「お菓子の島」でもある。Jタウンネットでは平戸の菓子文化の歴史を追いつつ、江戸時代から伝わる伝統菓子の味わいもレポートしている。詳細は「『お菓子の島』が日本にあるって知ってる? 江戸時代から伝わる、平戸の伝統菓子を食べてみた」から。
<企画・編集 Jタウンネット>