福井県は「ねこパラダイス」だった? 猫寺に猫島...猫派必見の「にゃんこスポット」3選
2021.01.26 12:00
提供元:福井県
寺にいるのはすべて保護猫
20年12月時点で、御誕生寺の境内にいた猫は26匹。その全てが、敷地内に捨てられていたところを、寺で保護した。いわゆる保護猫だ。
住職は、猫を保護するようになった経緯について
「寺が建立された20年前、まだ工事中で殺風景だった境内に、子猫が4匹入れられた段ボールが置かれておりました。当時の住職がそれを不憫に思い、食事を与え、水を与え、気にかけはじめたことが、御誕生寺が『猫寺』となったきっかけです」
と話す。
当時の住職とは、先代の住職のこと。猪苗代住職がこの寺に来たのは12年のことで、そのときには境内に80匹ほどの猫がいたという。
「先代の住職はかわいそうだから、という慈悲深い思いで世話をしていたのだと思います。しかし、相手は動物ですからどんどん増えてしまいますし、餌代もどんどんかさむ、喧嘩をすれば怪我もするし、病院にも連れていかないといけない......。
そうすると、猫もかわいそうだし、お寺も大変になってくるということで、無駄な繁殖がないようにと全ての猫に避妊去勢の手術を行いました」
それから、寺では猫の1匹1匹に名前をつけ、今まで以上にしっかりと面倒を見るようになった。
現在は、御誕生寺で修行している僧侶10人が、その世話を担当。朝8時と夕方15時半には、ドライタイプとウェットタイプのフードを混ぜた栄養満点の餌を与えており、一般の参拝客も運がよければ見ることができる。
その瞬間を狙って取材に訪れた筆者も、無事午後のお食事タイムを見学できた。
和尚さんがカンカンと音を鳴らしながら境内を歩くと、それに気づいた猫たちがどこからともなく集まってきて、その後をついていく。
そして、境内の端に置かれた雨どいの前に集合。
みんなで並んでフードを仲良く食べる姿は、たまらなく愛らしかった...。
このような猫たちの餌代や、薬や予防接種などにかかる医療費は基本的に寺の負担だが、境内に設置された「ねこの募金箱」に参拝者が入れたお金も、その一部となっている。
募金は1000円からで、お金を入れると、そのおしるしとして寺の猫ちゃんたちの写真が使われたオリジナルの日めくりカレンダーやキーホルダーなどがもらえるそうだ。