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「江田島の牡蠣を救いたい」地元への思いが常識を変えた 広島「IoT養殖」プロジェクト実現の背景

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2021.01.19 12:00
提供元:広島県

「広島ならではの課題に向き合う」

この実証実験は、中尾教授とNTTドコモ中国支社を中心に、シャープ株式会社、江田島市、平田水産・平田水産技術コンサルティング、東京大学、内能美漁業協同組合、ルーチェサーチ株式会社、中国電力株式会社、株式会社セシルサーチ、広島県立総合技術研究所といった10社・団体が協力して進めているもの。ドローンや5G通信などの技術を使うことで、牡蠣の養殖をより効率化しようという試みだ。

まず中尾教授に、このプロジェクトでひろしまサンドボックスに参加しようとしたきっかけを尋ねた。

「私の所属している東京大学が地方創生に力を入れている、というのが大前提にあるんですが、それだけではありません。
実は私は、広島の出身なんです。
そんな地元の広島をよくしたい、という思いからこのプロジェクトへの参加を決めました」

では、解決を目指す課題として、牡蠣養殖産業を選んだのはどうしてか。中尾教授に聞くと、

「広島ならではの地域の課題に向き合いたかったから」

と答える。

IoTやAIといった最先端技術を活用するにあたり、メンバーでいろいろな分野を検討したと中尾教授。もともと、漁業でいきたいとの思いがあったとのことで、必然的に全国的にも有名な「広島の牡蠣」に辿りついた。

この選択について、教授は改めて「とても良かった」と振り返る。

「やっぱり牡蠣が好きっていう人は多いじゃないですか。だから関心を持ってもらいやすいのか、講演などでも皆さんの食いつきがとても良いんですよね。

地域の食文化や特産物っていうのは他の課題と比べて、全国の人から興味を持ってもらえるような課題なので、その解決を目指したというのはサンドボックスの事業として考えてもとても良かったと感じています」

確かに、食べ物の話となれば聞いてみようと思う気持ちはとてもよく分かる。有名な広島の牡蠣がどんな課題を抱えていて、それをどう解決するのか、気になるという人は多いことだろう。出身や世代を問わない、とても分かりやすい課題なのかもしれない。

プロジェクトについての講演も行っている
プロジェクトについての講演も行っている

だが実は、中尾教授らのアイデアは、一度ひろしまサンドボックスの公募に落選していたという。しかしそれでも諦めず、19年1月に二度目の挑戦が実り、無事にサンドボックスの事業として採択された。

なぜそこまで、このプロジェクトにこだわるのか。一度目の落選時、「二度目がダメなら三度目も挑戦しようと思っていた」と考えていたという中尾教授にその理由を尋ねると

「これは本当に人と人の縁で繋がっているどこか運命的なものを感じるプロジェクトなので、絶対に採択されたいという強い思いがありました」

と熱を込める。

関係者同席の元、オンラインで取材した
関係者同席の元、オンラインで取材した

「そもそも、実証実験の場所である江田島が、私にとって非常に馴染みのある場所でした。
祖父が江田島の海洋兵学校の教師だったので、小さい頃からよく行っていましたし、私の母校の海浜学校もあるため、小学生の頃には夏にみんなで泊まりにも行っていました。

縁があるのは場所だけではなくて、たとえば私が子どものころ、江田島にある母方の墓に墓参りに行くときに通っていた道がプロジェクトメンバーのご実家の目の前だった、なんてことが分かったりもして......。

ほかにも関係者同士の不思議な繋がりを感じる場面が何度もあったんです。そのたびに、これはもう見えない力で繋がった人たちが故郷に錦を飾るために集まったプロジェクトなんだという実感を持ちました。だからこそ、絶対にサンドボックス事業として採択されたかったんです」
実証実験を行っている江田島
実証実験を行っている江田島

プロジェクトの障壁は「正しい課題の理解」
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