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開墾初心者は必読! 奈良時代の民に向けた「初めての墾田永年私財法マニュアル」が分かりやすいと話題に

松葉 純一

松葉 純一

2020.05.24 20:00
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「お問い合わせ:聖武天皇」

スエヒロ(@numrock)さんのツイートより
スエヒロ(@numrock)さんのツイートより

「初めての墾田永年私財法よくあるご質問」の内容だが、例えば、「土地を開墾したらどうなるのですか?」という質問には、こう回答されている。

「ご自身で私有いただける土地となります。開墾していただいた土地に関して、ご返却の義務は発生しませんので安心してお耕しください」

また、こんな質問もある。「三世一身法とはどう違うの?」

「三世一身法は、三代(開墾した人、その子・孫まで)に渡って、私有を認めておりましたが、当法令は、その後も永年に渡って私有いただけます」

723年に出された三世一身法では、墾田は孫までの3代の間しか私財化が認められていなかった。3代後に国に返さなければならなかったので、農民の墾田意欲は徐々に薄れ、荒れ地に戻ってしまった。

この墾田永年私財法によって、永年にわたり私財とすることが可能となったわけだ。国家としても、食料増産につながるというメリットがある。ちなみに、マニュアルの問い合わせ先は、この法を発した聖武天皇になっている。

これには、ツイッターにはこんな声が寄せられている。

「分かりやすい!」
「この政府広報みたいの面白い!」
「歴史の授業もこういう風にすれば良いのに」
「墾田永年私財法の申請のやり方ってこんでええの?」「こんでええねん」

ツイッター民には大変に受けているのだが、一方、こんな突っ込みもあった。

「問題は制度を施行してる側のはずの国司が平気で土地を奪っていくことなんですよねぇ。 この頃はまだ警察機構も無くて誰も取り締まらないし、鎌倉幕府出来るまで苦労しましたわ。(開墾農民談)」
「未開の土地を開墾するとか、一般人は普段の仕事だけでやっとやのに無理やん。大量の労働力と資材を投入できる豪族や寺社しか新田開発なんか出来へん。 結局、お上は、富裕層だけが得する政策ばかりやな」
「この開墾した土地を守る為に生まれたのが武士 歴史はずっと繋がってる」

貴族や有力寺院、地方豪族などによる荘園化、武士の誕生と成長、争乱という、歴史の発端となった、という指摘だ。なるほど、そういう仕組みになっていたのか、日本史の理解が深まった人も多いに違いない。

歴史の授業も、こんなふうにかみ砕いてくれれば理解しやすかった、いう意見もあったが、確かにそうだ。

一方、タイムトラベラー用マニュアルか? という感想もあった。これから奈良時代にタイムトラベルして、開墾したい気満々の人もいるようだった。

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