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「崩落事故、もう2度と起こさない」 最新技術で危険を予測...広島県の決意と挑戦

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2020.05.08 12:00
提供元:広島県

除雪作業を誰でもできるように

ここまでは「法面崩落の予測」というテーマを中心に話を聞いてきた。

今回の「ひろしまサンドボックス」の取り組みでは、このほかにも「除雪作業の支援」と「路面状態の把握」についても、全国の企業などからアイデアを募集している。それぞれ、どんな課題があるのだろうか。

――「除雪作業の支援」を選んだ理由を教えてください。

飛田さん:除雪は熟練の技術を持つ機械のオペレーターに支えられています。近年、オペレーターの高齢化が進んでおり、若者の担い手も不足しています。運転には技術がいりますし、朝早く寒い中で運転して、という大変な作業になりますので。そういった大変なものをデジタル技術で少しでも支援できるようにしたいと考えています。

例えば雪で路面が見えない場合、熟練のオペレーターであればマンホールの位置を把握しているが、素人ではマンホールに気づかず機械をぶつけて壊してまうことがあるという。そこでデジタル技術を用いて障害物の存在を教えてくれるようになれば、誰でも除雪ができる。最終的には「全自動」になるのが理想だ。

飛田祐典さん(写真左)、高月哲さん(同右)
飛田祐典さん(写真左)、高月哲さん(同右)

――「路面状態の把握」はなぜ選ばれたのでしょうか。

飛田さん:車が走っていると、道路には陥没やひび割れ、穴などができ、それを踏むとパンクしてしまうことがあります。法面と同様、状況を観察して穴が開く前に予測するため、監視方法などを提案していただきました。
高月さん:現在は週に1度の道路パトロールで、目視による確認を行っています。また5年に1度、専用車両でデータをとるなどしていますが、非常に高額です。維持管理の予算はこれからもずっと必要なものですが、どんどんお金を使えばいいとは思えません。できるだけ費用を抑え効果を上げたいと思っています。

法面崩落の予測と路面状態の把握は20年9月、除雪作業の支援は21年3月末まで実証実験を行う予定。行われた実験の中から、テーマごとに1件程度の提案を採用して、事業を継続する予定だという。

道路管理のあり方が変われば、未然に防げる事故が必ずあるはずだ。広島県と各企業・団体の挑戦に期待したい。

<企画編集:Jタウンネット>

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