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「崩落事故、もう2度と起こさない」 最新技術で危険を予測...広島県の決意と挑戦

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2020.05.08 12:00
提供元:広島県

企業にとってメリットは?

法面の崩落予測について行われる実証実験は、これだけではない。

建設コンサルタントのエブリプラン(松江市)らは、人工衛星の画像を使って地表面の変動を捉え、広いエリアでの崩落予測モデルを構築する。

復建調査設計・広島支社(広島市)らはレーザー測量で取得した法面点群データから「3D道路法面台帳」を作成し、経年劣化や崩落前兆を把握する予定だ。

基礎地盤コンサルタンツ・中国支社(広島市)らはAI内臓小型カメラ等を用いた定点監視により落石や音などの法面崩落の前兆現象を把握。また樹木の頂点を座標とし、その「ずれ」から崩落を予測する。

崩落現場。右手は太田川が流れる
崩落現場。右手は太田川が流れる

今後、提案は県内の道路で実証実験が進められる。崩落予測の実現に期待が高まるが、そもそも今回のように行政からテーマを提示して、提案を募集するやり方は珍しいという。

あえてこの方法をとったのには、何か理由があるのだろうか。

飛田さん:通常、公募を出すときは主に土木業界の方に入札していただくのでIT業界や大学などに発注することはあまりありません。それが悪いわけではなく、今回はデジタル技術を使った新たな取り組みを模索するということで、他の業界の視点が入ってくることでもっと新しいものができるかもしれないと考えて全国的に募集をかけました。業界の壁を越えて手を組んでいただいていることが、一つの大きな違いです。

――なぜこれらのコンソーシアムを選定されたのでしょうか。

高月さん:課題解決に必要な技術が実現性をもって示されているか、革新性があるかなどを審査委員会で判断しました。既存の技術でなく、新しいことにチャレンジされているところは評価が高かったのかなと思います。実験はいきなり広島県全域で行うのではなくピンポイントな場所でやっていきますが、重要なのは県下全域に今後展開できるかどうか、ですね。

――新しい技術となれば、企業への負担が大きいのでは。

高月さん:お金の面ではおそらくどこも赤字だと思います。

――赤字覚悟のうえで参加する企業・団体のメリットはどこにありますか。

高月さん:本来であれば各社で実験してから技術を売り込みますが、今回は行政から「新しい技術を開発してください」と依頼しています。これに対しては各社から「ぜひチャレンジしたい」という声が多く寄せられました。企業・団体にとっては新しいことにチャレンジしている、というアピールにもなるのではないでしょうか。
飛田さん:通常、道路で実験をやるとなると企業側が道路の管理者に許可などをとる必要があります。今回は県から依頼しているので、それが必要ありません。実はやりたいと思っていたことができる、と聞いています。

新しい技術開発のための「実験場所」の提供。そこが参加企業・団体にとって大きなメリットの一つであるようだ。

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