「揖保乃糸」そうめんだけじゃなかった 実は中華麺・パスタも存在...なぜ?組合に聞いた
そうめんと同じ「手延べ製法」の中華麺
2020年4月20日、Jタウンネットが揖保乃糸を製造する兵庫県手延素麺協同組合(兵庫県たつの市)に取材したところ、この中華麺は2006年にお中元やお歳暮に送るギフト用として誕生したそうだ。2010年には家庭用商品が発売された。
そうめん作りでつちかった手延べ製法で、時間と手間をかけて生産しているという。この製法でそうめん以外の麺を作ろうと思ったのはなぜか、同組合の担当者に尋ねてみると、
「定番のそうめんやひやむぎに限らず、様々な麺づくりがどこまでできるかという一種のチャレンジをすることで、製造技術を向上させるため。また、手延べ麺の良さを発揮し、コアなファンの皆様にも揖保乃糸の良さを再認識していただくと共に、新たなファンの獲得にもつなげるためです」
とのこと。
担当者によると、手延べ製法の特徴は、「麺を細くできること」で、既存の中華麺以上に細く、おいしい麺をつくろうという思いで作り上げたのが手延中華麺「龍の夢」だそうだ。技術的にはより細くすることも可能だが、麺のおいしさが際立つよう、今の太さになっているという。
「中華麺は開発・商品化・販売までかなりの時間と思いをかけた商品です。
開発では、もちろん手延べの良さを出すために原料にこだわり、中華麺らしさを出すためにかんすいを使用したことがポイントです。かんすいには麺を引き締める特性があり、麺を細く延ばしていく手延べとは相反するところがあります。試行錯誤を重ねかんすいを用いておいしい麺を作り上げました」(担当者)
そんなこだわりの中華麺のオススメの食べ方は、「冷やし中華」。
「手延べのつるみ感とコシを感じられ、おすすめです!
細めでつるみがある麺はつゆと絡みやすく、通常のめんつゆで食べてもおいしい中華麺となっています。簡単なアレンジでは、通常のめんつゆにみりんと酢を足し、胡麻油やゴマを少し加えるだけで中華風になりあとは好みの食材をトッピングするだけで簡単に楽しめます」
と担当者。もう少し暖かくなったら、筆者もぜひ冷やし中華を楽しみたい。