自粛生活のお伴に「ヒエログリフ」いかが? 博物館の提案ツイートに反響、その意図を聞いた
2020.04.29 06:00
ヒエログリフには母音がない?
九州国立博物館は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2月末から臨時休館中。公式サイトでは、過去に実施したワークショップの内容などを紹介する「おうち de きゅーはく!」を展開している。
そこで4月15日から公開している「ヒエログリフ」の対照表は中部大学教授・中野智章氏監修のもと制作された。
企画の担当者によれば、今回のツイートで紹介したのは、25日から開催予定だった特別展「古代エジプト展」で準備していた企画だった。特別展では「名前を書こう」だったが、「手紙を書こう」に変更したという。
その理由としては、
「一人で書くのもいいのですが、外出自粛や休校中で、お友達や離れて暮らす家族などに会えない人がいると思いますので、その人たちに手紙を書いてもらえたら、と思いました」
と説明している。
公開された資料によれば、ヒエログリフは記すと力を持つ神聖な文字とされている。書いた言葉は現実になると信じられており、神殿や墓、石碑や彫像などに記されている。
しかし当時のエジプトでヒエログリフの読み書きできたのは人口のわずか1%ほど。書記や神官、王など、限られた人だけだったという。
ところで2つのアルファベットを表すCとS、 EとI(葦の穂)、UとW(ウズラのヒナ)はどのように書き分ければ良いのだろうか。担当者に聞いてみたが、その方法はないという。
これらが2つのアルファベットを表している理由については、
「ヒエログリフには母音がないと言われていて、母音に近い音をアルファベットの母音に置き換えています」
と担当者。ヒエログリフの正確な発音は分かっていないという。