地域の課題をSDGsで解決? 北九州市で見つけた「未来の商店街」の姿とは
2020.03.30 12:00
提供元:北九州市
「SDGs商店街」が生まれた理由
ところで、魚町銀天街はどういうきっかけで「SDGs商店街」になったのだろうか。
その疑問について探るため、魚町銀天街をSDGs商店街に変えた「仕掛け人」として知られる女性に話を聞いた。商店街の中にある「北九州ESD協議会」でコーディネーターを務めていた森川妙さんだ。
ESDとは「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)」のこと。それを北九州市で推進するため、森川さんは17年夏から魚町銀天街の中にある事務局で活動していた。
そんな彼女が「SDGs×商店街」というアイデアをひらめいたのは、コーディネーター就任から約1年後のこと。仕事のため事務局に向かう途中、たまたま目に留まった魚町銀天街のエコルーフがきっかけだったという。
「エコルーフを見つけた瞬間、すぐ商店街の理事長に話を聞きに行ったんです。もう、仕事に行ってる途中だってことも忘れてしまって(笑い)
そこで、ソーラー発電でアーケードの電気をまかなっていることや、子育ての支援やホームレスの自立支援をしていることなど、商店街が色々な活動していることを理事長から教えてもらって...。すぐ『理事長!それはSDGsですよ!』となりました。
そういった活動を知って、魚町銀天街にはそういうマインドというか、SDGsにも前向きな土壌があるんだと嬉しくなって。それで、商店街の理事会にも協力してもらって、『SDGs商店街』を宣言する運びとなったんです」(森川さん)
森川さんがエコルーフの存在に気付いたのは18年6月のこと。その翌月にはSDGsをゲーム感覚で学べるイベントを商店街で実施。そして8月、魚町銀天街は「SDGs商店街」になることを宣言する。
魚町銀天街が内閣総理大臣賞を受賞するのは、その一年半後のことだ。