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なぜそんなに余裕がないの? 「学生の乗車マナー」に怒る大人たちに、保護者が伝えたいこと 

井上 祐亮

井上 祐亮

2020.01.05 21:00
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将来の社会人を大切にしましょうよ――。高校3年生の娘を持つ札幌市在住のSさん(50代女性)から一通のメールが届いた。

聞けば、看護師だというSさん。学生の勉強内容が昔よりも専門的になったことを挙げつつ、パンパンに膨らんだ鞄を漬物石にたとえる。

「はっきり言って、可哀想です。市内の学校は置き勉禁止なので、教科書ノートなどは全て持って帰らなければなりません。学生たちも好きであんなに大きなカバンや重い荷物を持っているわけではありません。必要なのです」

先日掲載した「大人はいつも自分勝手? 『中高生の電車マナー批判』に10代学生が怒りの猛反論」では、学生側の声を紹介したものの、大人たちから反論が相次いだ。

「学生は席に座って、大きい荷物を足の間に置いています。その際足を大きく開いているのです。膝の上に乗せなさい」
「荷物の持ち方など、何が迷惑なのかどころか、他人に迷惑をかけている自覚すらありません」

教科書が詰まったカバンの必要性に加え、「邪魔だ」「降りろ」などバッシングにもとれる言葉が連なる。

Sさんと同様に、学生の気持ちがわかると話す他の保護者からも便りがあった。保護者の視点で、学生の気持ちを考えたい。

果たして学生は悪いのかな(画像はflickrから)
果たして学生は悪いのかな(画像はflickrから)

「まず大人から工夫するべき」

「私たち世代は、こんなに勉強道具は多くはありませんでした。勉強内容だって昔に比べたら難しくなり、結構専門的です。『生物』なんかは私が看護学生の時に習ったものより詳しいです。公共機関に乗り合わせるだけなのに、優しい大人は少ないですね」

と話を進めるSさんは、娘と一緒に通勤する場面を振り返る。

「子どもと一緒に通勤していると、体当たりしてくる人や、露骨に嫌な顔をする人にも出会います。余裕のない社会が、余裕のない大人にしているのでしょうね。将来の社会人を大切にしましょうよ」

子を持つ母親だから気付く眼差しである。兵庫県に住んでいるOさん(年齢性別不詳)は、教科書以外にも部活動の道具や弁当、水筒を別のカバンに抱えて登校する子を持つ親である。Oさんは、市バスにとある日の土曜日に乗車したことを思い出す。

「先日の土曜日もスポーツセンターまでは、十分に席は空いていましたが、沢山の学生さんが大きなリュックを抱えて乗ってきました。私は後ろの方に座っており、横も空いていましたが、彼らは座ってはいけないと指導されているのか、全員が大きなリュックを背負っていました」

この状況では、奥の座席まで他の人が進めないと思い咄嗟に、こう告げたと話す。

「あなた達、バスの中いっぱいだから、とりあえず空いている席に座って、道を作っておいた方がいいと思うよ。それで自分の横に誰か来た時に席を変わってあげた方がいいと思うから、とりあえず座ったら?」

戸惑う学生は、座っていいのか考えあぐねていたが、他の乗客も「座り座り」と勧め、素直に座ったという。Oさんは、学生たちが背負っていたリュックがあまりに大きかったため、

「部活は何をしているの」

と尋ねたところ、サッカー部だと話す。そこでOさんは、彼らの多くがボールやユニフォームなどでパンパンになっているのだと理解したのだ。

親心があるOさんは、学生に声をかけ、持たざるを得ない状況を理解した。

「毎日通勤していたら、どこの駅で沢山の学生が乗り降りするか、また乗車時間もほぼ大体わかるはずです。大人は、(学生が)嫌なら電車を1本早くするとか、遅らせるとか、まず大人から工夫するべきだと思います。

学生さんを始め、子どもたちや若者は、これからの日本を背負ってくれる、未来を作ってくれる宝です。高校までは、他部制以外、大体の学校が、登校時間は8時半までに教室に着いていなければいけないはずです。帰宅のラッシュ時間は、部活をしている学生さんと重なるので、嫌なのであれば1本見送れば良い話ではないでしょうか」

保護者の意見に頭が上がらない。学生は大変なのだ。

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