名古屋駅の床で「ウニの化石」大量発見 なぜこんなところに?専門家に聞いた
待合室はウニだらけ?
投稿者の西本さんは、地質学・岩石学を専門とする学芸員。岩石や石材の研究とともに、特別展や普及事業の企画などをしているほか、「街の中で見つかる『すごい石』」(日本実業出版社)という書籍も手掛けている。化石が入っているかどうかに限らず、普段から街中にある石材を調べているという。
ここにウニの化石があることから、どのようなことが分かるのか。西本さんに聞いてみると、
「ウニはトゲがないタイプだと思われますが、それ以上のことはわかりません。ウニの化石があるということから、海だったということがわかります」
とのこと。西本さんが制作した待合室内のウニ化石マップ(12月3日時点)によれば、入り口付近を中心にウニの化石が複数埋まっていることが見てとれる。
「名古屋駅新幹線待合室の床の石材はイタリア産です。おそらく5000万年くらい前の暖かい海の底でできた石灰岩だと考えています。同じ石材を、京都、札幌、松山でも見たことがあります」
待合室に使われている石材について、西本さんはこのように考察している。となるとウニたちは5000万年も前から存在している可能性があることに...気が遠くなりそうな年月だ。イタリアの海から名古屋駅にやってくるまでに、数多の試練を乗り越えてきたことだろう。
Jタウンネットは12月9日、この待合室の床についてJR東海に確認してみたが、「広報部では対応できない」とのことだった。
西本さんによれば、石材の中に化石が見つかることはよくあるとのこと。今回話題になったことについては、
「石に興味を持ってくれる人が増えればうれしいです」
と話している。