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「健気すぎて泣けてくる」 ハロウィン仕様になった豆苗、ネットで謎の同情を集めてしまう

笹木 萌

笹木 萌

2019.10.03 20:00
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10月に入り、街では秋の一大イベント「ハロウィン」を意識した商品が、ちらほら見受けられる季節になった。

そんな中ツイッターでは、すでにハロウィン仕様となったある野菜が注目を集めている。

それがこちらだ。

豆苗だってハロウィンしたい(画像はさちうす子@kisekimachiさん提供)
豆苗だってハロウィンしたい(画像はさちうす子@kisekimachiさん提供)

世の中の流れに乗り遅れまいと奮闘している――「豆苗」だ。

スーパーの野菜売り場で見かけるような普通のパッケージには、

「Trick or Treat?」
「Happy Halloween」

という文言。さらにはオバケやコウモリなどのイラストが描かれ、裏面には意識したレシピなのか「豆苗と蒸し鶏のサラダ」の調理法が載っている。何が何でもハロウィンの食卓に並べてほしいらしい。

ツイッターユーザーのさちうす子(@kisekimachi)さんは、この写真とともに、

「豆苗...、お前はそんなに無理矢理ハロウィンを抱き込まなくていいんだ...どう考えても関係ないんだ...」

と投稿。ほかのユーザーからは、

「おしゃれしたかったんですよ。流行に乗ってみたかったんですよ。いいじゃないですか...一度くらい......」
「頭に被れば万事解決です!!(違)」
「健気過ぎて泣けてくる。大丈夫!豆苗さんは季節関係なく愛されてますよ」

といった、無理をするなと言わんばかりのコメントが寄せられている。

あまりイメージのない豆苗が、なぜハロウィンに絡みに行ったのか。Jタウンネットはこの豆苗を生産・販売する、すぷらうとくらぶ(本社・静岡市)を取材した。

1年中並ぶ野菜にも季節感を

すぷらうとくらぶは豆苗のほか、かいわれ大根やスプラウトなどを、静岡を中心としたスーパーで販売している。担当者によればハロウィン仕様にしたのは昨年からだといい、対象は豆苗とスプラウトだという。

なぜ野菜のハロウィン仕様を始めたのか。

豆苗を選んだのは、ハロウィンのパーティーをする際、みんなで食べる「鍋」に使えるというのが理由の一つにある。そのほかの要因として、担当者は「お店の人に頼まれたから」だと話す。

「お菓子とってハロウィンのものが並ぶじゃないですか。野菜のコーナーって生産者の方がずっと安定して供給することがなく、(1年通して並ぶのは)モヤシやスプラウト、キノコとかしかないので、『なんかやってくれない?』という要望がありました」(担当者)

たしかに、野菜のパッケージがハロウィン仕様になったものはあまり見たことがない。

このパッケージが並んでいたら、かなり目立つだろう。1年中並ぶ野菜に季節感を出そうということで、豆苗は計4回衣替えをするそうだ。スプラウトとカイワレ大根に至っては、クリスマス仕様のパッケージもある。

ここで担当者に、ハロウィンと関係ないのに...というツイッターの声があることについて聞いてみると、

「自分たち結構こういうのが好きなので。関係ないと言えば関係ないんですけど、野菜売り場にそういうの(季節感)があったらいいよねということでやっています。他の生産者がやらないんだったら自分たちがやって、そしたら他のキノコ屋さんとかもやり始めたりするんで」

とのこと。旬の野菜を見て季節の移り変わりを感じるのはもちろんだが、1年中並ぶ野菜にも変化があったっていいじゃないか――。そんな心意気を感じる取り組みだ。

ちなみに、店によってはそのままのパッケージがいいとの声もあるため、すべての店の商品がハロウィン仕様というわけではないという。担当者はハロウィンに向けて、

「お祭りなんでいっぱいパーティーしてください。その時は豆苗をいっぱい使って食べてください。もともとはあんまり関係ないけど、『ハロウィンと言えば豆苗だよね』と思ってくれれば僕らはありがたいんで」

とコメント。ハロウィンらしい・らしくないではなく、乗っかったもん勝ちなのだ。

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