「みそ煮込みうどん」カップ麺、オススメはどれ? マニアが比較検証した結果は...
魚介だしの奥行きがある寿がきや食品
どちらのつゆも、濃い豆味噌に加え、かつおを中心に魚介だしが強く効いています。どちらも豆味噌にかつおだしという、一般的なみそ煮込みうどんの特徴を踏まえた味付けとなっています。
寿がきや食品の魚介だしは、かつお節とムロ節が使われています。ムロ節は主に東海地区で多く使われているだしで、ムロアジが原料。かつお節とムロ節をダブルで効かせることで、東洋水産に比べてより魚介が目立っています。東洋水産に比べて味噌の味がおとなしいことも、魚介の味を引き立てる要因となっていました。
東洋水産のかつおだしも濃い豆味噌の中でしっかり香っていますが、濃い味噌と合わせることで相対的に目立たずに脇役に回っています。主役は豆味噌。強力な豆味噌でインパクトの強さが特徴の東洋水産に対し、寿がきや食品のつゆは豆味噌の風味と魚介だしのバランス型という印象でした。
対照的な麺の特徴
両者ともに、縮れのついた太めの油揚げ麺が使われています。名古屋名物きしめんほどではないですが、やや平打ち形状なのも共通しています。しかしながら、食感は大きく異なっています。
東洋水産の麺は比較すると太めで厚みがあり、つるみとコシが強いのが特徴。よりうどんらしい食感です。太くて弾力があるため麺の存在感が強力ですが、濃い豆味噌のつゆと合わせることで、うまくバランスを取っていました。
一方の寿がきや食品は、東洋水産に比べると厚みがなくコシが控えめで、うどんらしい食感よりも、つゆとの馴染みやすさが重視されている印象を受けます。つゆも麺も譲らず主張する「ガンガンいこうぜ」的な東洋水産と、麺がつゆに寄り添う寿がきや食品という、好対照な構図が見られたのは興味深かったです。
具のボリュームは東洋水産が圧勝
具として両者とも、きざみ揚げ、鶏肉、たまご、ねぎ、かまぼこが入っていて、まるで図ったかのようにまったく同じ組み合わせです。しかしながら、ボリュームは大きく異なっています。
具の主役であるきざみ揚げや鶏肉のボリュームは、ダントツで東洋水産が勝っています。どちらも寿がきや食品のものと比べて量が多く、カットも大きいです。たまごやねぎ、かまぼこといった脇役陣も、東洋水産が勝っています。寿がきや食品には入っていない七味唐辛子が入っているのも大きな違いでした。
寿がきや食品の具は全体的に小粒で、量も東洋水産に比べて見劣りしています。つゆや麺については両者にそれぞれ良さがありましたが、具にはだいぶ開きがあり、寿がきや食品の優位性はないように思います。