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「みそ煮込みうどん」カップ麺、オススメはどれ? マニアが比較検証した結果は...

オサーン

オサーン

2019.07.07 13:00
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マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第八回 「みそ煮込みうどん」食べ比べ 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。今回で八回目となる「ご当地カップ麺」をテーマにカップ麺を食べてレビューする連載。今回は、名古屋めしの代表格である「みそ煮込みうどん」のカップ麺2種類を食べ比べていきます。

食べ比べる「みそ煮込みうどん」のカップ麺
食べ比べる「みそ煮込みうどん」のカップ麺

2品それぞれに大きな特徴が

今回食べていくカップ麺は、寿がきや食品の「カップ味噌煮込うどん」と、東洋水産の「カップみそ煮込みうどん」。ともに発売が中京地区に限定されているご当地カップ麺です。

名古屋のご当地メーカー、寿がきや食品の「カップ味噌煮込うどん」は1992年に発売された商品。袋麺のロングセラー「みそ煮込」のカップ麺バージョンで、袋麺は名古屋のソウルフードといっても過言ではない大定番商品です。カップ麺も名古屋では広く店頭に並んでいます。

一方、東洋水産の「みそ煮込みうどん」は、2012年に発売された商品で、寿がきや食品に比べると後発ですが、こちらも地元で愛されるロングセラーです。地元以外でも、スーパーの名古屋フェアなどで見かけたことがある方は多いのではないかと思います。

ご当地で愛される「みそ煮込みうどん」のカップ麺2品に、どのような違いがあるのか、早速食べ比べていきます。

寿がきや食品「カップみそ煮込うどん」
寿がきや食品「カップみそ煮込うどん」

豆味噌の味と香りが強い東洋水産

ともに東海地方でよく使われている豆味噌が主体の味噌味のつゆで、赤味噌の濃い色が特徴。米や麦が入っている他の味噌に比べ、豆味噌は豆の香りが強く、濃い旨みが感じられる反面、普段から豆味噌を食べ慣れていなければ、少しクセのある味と感じられるかもしれません。

両者濃い豆味噌が特徴ですが、特に東洋水産のつゆは、豆味噌の味と香りどちらも強力で、いかにも名古屋の味という力強さがありました。地元以外の人がイメージする名古屋めしの味噌味に近い感じがします。寿がきや食品のつゆも豆味噌の香りはかなり強いものの、東洋水産ほどの味の濃さはありません。

東洋水産「カップみそ煮込みうどん」
東洋水産「カップみそ煮込みうどん」

魚介だしの奥行きがある寿がきや食品

どちらのつゆも、濃い豆味噌に加え、かつおを中心に魚介だしが強く効いています。どちらも豆味噌にかつおだしという、一般的なみそ煮込みうどんの特徴を踏まえた味付けとなっています。

寿がきや食品の魚介だしは、かつお節とムロ節が使われています。ムロ節は主に東海地区で多く使われているだしで、ムロアジが原料。かつお節とムロ節をダブルで効かせることで、東洋水産に比べてより魚介が目立っています。東洋水産に比べて味噌の味がおとなしいことも、魚介の味を引き立てる要因となっていました。

東洋水産のかつおだしも濃い豆味噌の中でしっかり香っていますが、濃い味噌と合わせることで相対的に目立たずに脇役に回っています。主役は豆味噌。強力な豆味噌でインパクトの強さが特徴の東洋水産に対し、寿がきや食品のつゆは豆味噌の風味と魚介だしのバランス型という印象でした。

麺(左:寿がきや食品 右:東洋水産)
麺(左:寿がきや食品 右:東洋水産)

対照的な麺の特徴

両者ともに、縮れのついた太めの油揚げ麺が使われています。名古屋名物きしめんほどではないですが、やや平打ち形状なのも共通しています。しかしながら、食感は大きく異なっています。

東洋水産の麺は比較すると太めで厚みがあり、つるみとコシが強いのが特徴。よりうどんらしい食感です。太くて弾力があるため麺の存在感が強力ですが、濃い豆味噌のつゆと合わせることで、うまくバランスを取っていました。

一方の寿がきや食品は、東洋水産に比べると厚みがなくコシが控えめで、うどんらしい食感よりも、つゆとの馴染みやすさが重視されている印象を受けます。つゆも麺も譲らず主張する「ガンガンいこうぜ」的な東洋水産と、麺がつゆに寄り添う寿がきや食品という、好対照な構図が見られたのは興味深かったです。

具(上:寿がきや食品 下:東洋水産)
具(上:寿がきや食品 下:東洋水産)

具のボリュームは東洋水産が圧勝

具として両者とも、きざみ揚げ、鶏肉、たまご、ねぎ、かまぼこが入っていて、まるで図ったかのようにまったく同じ組み合わせです。しかしながら、ボリュームは大きく異なっています。

具の主役であるきざみ揚げや鶏肉のボリュームは、ダントツで東洋水産が勝っています。どちらも寿がきや食品のものと比べて量が多く、カットも大きいです。たまごやねぎ、かまぼこといった脇役陣も、東洋水産が勝っています。寿がきや食品には入っていない七味唐辛子が入っているのも大きな違いでした。

寿がきや食品の具は全体的に小粒で、量も東洋水産に比べて見劣りしています。つゆや麺については両者にそれぞれ良さがありましたが、具にはだいぶ開きがあり、寿がきや食品の優位性はないように思います。

味作りのコンセプトに違いがある?

名古屋のご当地料理である「みそ煮込みうどん」のカップ麺について、その代表的な商品である寿がきや食品と東洋水産のものを食べ比べてきました。同じ「みそ煮込みうどん」でも、つゆや麺の特徴に大きな違いが見られました。

豆味噌の風味と魚介だしのバランスが良く、麺もつゆに合わせて調和を重視した寿がきや食品に対し、濃い豆味噌のつゆとコシとつるみのある麺の組み合わせで派手な味づくりをした東洋水産。

大定番商品の袋麺「みそ煮込」でブランド力のある寿がきや食品は、バランスを重視して毎日食べても飽きない味を指向し、「みそ煮込みうどん」では後発の東洋水産は、濃い味を強調することで、たまに無性に食べたくなる味に仕上げているように見受けられました。

ぜひ食べ比べてみて、両者それぞれの味作りへのこだわりを感じていただければと思います。

筆者:オサーン

カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 Twitter(@ossern)
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